2014年9月11日掲載
我が息子Rionは今戦隊モノに嵌っている。”獣電戦隊キョウリュウジャー”で徐々に嵌りだし、”列車戦隊トッキュウジャー”を現在は毎日のように姉のKirariとテレビのチャンネル権を巡って喧嘩を繰り返しながら観ている。ちなみに俺は”バトルフィーバーJ””電子戦隊デンジマン”そして”太陽戦隊サンバルカン”に夢中になった世代。親的にはあんまり嵌って欲しく無いのだけれど、Rionの気持ちは分からないではない…むしろ分かる。ちなみに先日は”トッキュウ2号トカッチ”というキャラクターに扮するために俺のメガネを勝手持ち出し壊した始末、更にそれを黙っていたという。
Rionは日本に一時帰国した際、｢切りま～す…撃ちま～す、ご注意くださ～ぃ｣とアナウンスされる”トッキュウブラスター”というサーベルにもレーザー銃にもなる武器の玩具をお祖父ちゃんに買ってもらった。彼は何処に行くにも常に持ち歩く程気に入り、道行く人々を切りまくり撃ちまくった(!?)。
日本からタイへ戻ってくる時はホーチミン空港を経由する便で帰国した。俺は仕事の関係で先に帰っていたので、ここからは家内から聞いた話。日本からの沢山の荷物、彼はスーツケースを引きながら、リュックを背負いながら…しかし”トッキュウブラスター”は肌身離さず行動した。するとホーチミン空港の持ち物検査で引っ掛かった。どうやら”トッキュウブラスター”が刃物類危険物等の凶器とみなされてしまったようだ。確かに先は尖っているけどゴム製で柔らかいし…一目で玩具と分るでしょうよ。家内の抗議もむなしく｢No!｣を突き付け続けるベトナム人検査官。”トッキュウブラスター”は私が守るとばかりに必死に喰らい付く家内を後目に事務所内に去ろうとした検査官、事態は絶体絶命に見えた…と、そこへ。
『 ○×＃＊▽×◆○～ッ(怒)!! 』と叫び検査官にRionが飛びかかった。
日本語 !? 英語 !? タイ語 !? 今でもRion本人は何語で何を言ったかを思い出せずにいる。しかしここで行動しなかったら”トッキュウブラスター”を失ってしまうと決死の覚悟だったらしい。この気迫に押されベトナム人検査官は態度を急変させた。｢(家内に)あなたのカバンに入れて(飛行機に)搭乗するのであれば…｣と刃物類危険物の持ち込みを特別に許可したのである。
今日もBangkokの街では一人、また一人と”トッキュウブラスター”の餌食となっている。街で「切りま～す…♫」と聞こえたら、Rionがあなたを背後から狙っているかもしれませんぜ…(格好はスパイダーマンだけどね)!!!
伊藤琢矢（いとたく）
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮･岡山･北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand
