2014年8月28日掲載
折角タイでプレーする日本人選手が多い環境、自分が指導する選手達を試合観戦に連れていくことでプロサッカー選手を目指す切掛けになれば良いし刺激にして欲しい。そんな思いから”タイサッカー試合観戦ツアー”を定期的に行ってきた。1月程前の話であるが、6月初めに行ったツアー”Police United vs Muangthon United”について書こうと思う。
ある日の練習前、タイ人スタッフの元にPolice Unitedのスタッフより「(当時)リーグ戦で首位を走るMuangthon Unitedとの試合を観に来ないか!? 招待するよ」という内容の連絡が着た。選手のみならず選手の家族も招待してくれるという。”折角タイに住んでいて、盛り上がりをみせているタイサッカーを観戦したいと思っているのだけれど、切っ掛けがない”という親御さん達の声も聞いていたので、直ぐにこの話を進めるように指示をした。
僕自身ジュビロ磐田等で活躍した西紀寛選手がPolice Unitedに所属していることもあり、是非とも観てみたかったカード。土曜日の練習後、速攻でシャワーを浴びバス3台にて30名程のツアー参加者を引き連れBangkok北部にあるThammmasat Univ. Stadiumへ向かった。
「楽しみだね…」なんてワイワイと盛り上がりながら高速をひた走るバス。弁当も食べ終わった頃に先に現地入りをしていたタイ人スタッフから連絡が入った。「伊藤コーチ…本当に、本当にすみません。試合…明日でした」。日にち・時間・会場を確認させ”観戦ツアー”のお知らせをしてメンバーを募ったのだけれど…完全に初歩的ミス、笑うに笑えなかった。3台のバスを途中で止め、他会場にて行われている試合に急遽予定を変更して向かおうとするも条件に見合う試合を見つけられずBangkokに引返すことに。結局この日は”高速でいとたくコーチとお弁当を食べようツアー”になってしまった。
試合の方は20時からだったので、帰宅するのは23時近く。翌日は学校があったので翌日日曜日にスライドさせて再度ツアーを組み急遽観戦者を募ったのだけれど、無理があったよね。しかし強行スケジュールの中、これだけの選手達がツアーに参加をしてくれた。
試合の方はね…毎年のタイサッカーリーグの課題でもあると思うのだけれど、完全に選手達が試合消化過多の状態で疲弊しているんだよね。後半になったら両チーム足がパタッと止まってしまったし、何故か両チームとも活躍している選手達を試合半ばで引っ込めてしまったのも理解に苦しんだ。
更に俺には対して審判の笛が不公平に感じなかったんだけど、Policeチーム関係者が審判団を取り囲み一触即発状態にスタジアム内が異様なムードとなった。あまり観戦者としては良い印象を受けない行為、俺自身は好きじゃないね…こういうのは。
とはいえ観戦に訪れた教え子達にとっては刺激ある一日になったのではあるまいか。ハーフタイムにはPoliceスタッフに連れられてグランド内に降りることを許可され…俺の知らないところでパチリと西選手と写真に納まっていたという図々しさ。ヤリおるね、彼らは…更に帰り路に「また(いとたくコーチ)連れてって」と言ってくれたことが嬉しかったんだよね。彼らが何を感じ自分にとってどのような刺激になったのか…是非ともピッチ上で示していってくれればと思う。
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand