2014年6月24日掲載
187回のコラムで取り上げたThai-Honda(参照 第187回 古豪”Thai-Honda”再建へ、侍3人の戦い –いとたくタイサッカー観戦記-)、こちらの試合を子供達に触れさせたいと”観戦ツアー”と題して30人超のINFINITO選手達を携え試合観戦へ。そこで図々しくも”エスコートキッズ”なんてものもやらせていただいた。
試合観戦に訪れたのは6月1日(日)、少し前のことになるのであるが…この時点でThai-Hondaはリーグ戦で首位を走り、Division 1昇格を賭けた戦いの場となるチャンピオンズリーグへの出場権獲得を当然のごとく視野に入れての戦いとなっていた。
元々俺は地域リーグからJFL、JFLからJリーグへと昇格を賭けた戦いの場に身を置いていた人間、この”毎試合勝ちを求められ、引分けは負けに等しい”という舞台で戦うチームをINFINITOの選手達に観て感じて欲しかった。まぁエスコートキッズは普段懸命にボールを追い続けているご褒美という形で実現させたんだけどね。
Thai-Hondaの滝 雅美監督、同世代の監督で勝手に俺が”サッカー感”が近いのかなと感じている人。サイドにタイサッカーを知り尽くした攻撃的な樋口大輝(ヒグ)選手や小川圭祐(ケイスケ)選手を…センターバックのポジションにしっかりとボールポゼッションが出来る”気の利いた”選手を配していることなどから。試合を観ていても、ドイツブンデスリーガ王者のバイエルンのようなボールも人も良く動くし、サイドからとにかく仕掛ける攻撃サッカーを実践させようとしているように感じてね。この日に関しては凸凹の少しぬかるんだピッチの影響からかパスミスが多く…更に相手のカウンター狙いのサッカーが嵌ってしまい危ない場面が何度となくあったのだけれど、辛くも1-0でThai-Hondaが勝利したという内容。
試合後には滝監督自らがINFINITOの選手達の元にかけつけてくれた。監督は怒っていたね「このような試合内容で申し訳ない。自分のミスに対して尻拭いをせずに足を止めてしまう選手がいた。こんなのプロじゃない」とね。” あぁ一緒だな”と思ったね、常日頃俺は”相手エリアに入ったらどんどんゴールへ仕掛けて…自由にやって良い。その代わり取られたら取り返すところまでプレーし続けなさい”と時には怒鳴り散らしながら選手達に意識付けさせているからね。
元々指導者であるという監督から「芽が出るのは選手それぞれ違う、直ぐ出来てしまう子もいれば3年かかるかも子もいるかもしれない…でも一生懸命やっていれば必ず上手くなるから…」とメッセージもいただいた。その芽を出す手助けをするのが俺の仕事なんだろうなと感じた。とにかく言葉の1つ1つに”熱さ”を感じてINFINITOの選手達も食い入るように耳を傾けていたね。
さぁINFINITOの選手達よ、8月に本帰国する仲間と一緒にボールを蹴る時間は限られているし、これから大きな大会が目白押しとなる。1戦1戦”熱く”戦い仲間と一喜一憂する、その大切さを教えてくれた今回の”観戦ツアー”で学んだ答えをピッチ上で表現していってもらえればと思う。1つでも多くのタイトルをみんなで掲げ…最高の思い出と共に仲間を日本へ送り出してやろうぜっ!!
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand