2013年8月27日 掲載
昨年からのTPL(タイプレミアリーグ)とJリーグの業務提携を皮切りに、チョンブリとヴィッセル神戸・バンコクグラスとセレッソ大阪・ムアントンユナイテッドとジュビロ磐田・BECテロと清水エスパルス・コンケーンとコンサドーレ札幌・スパンブリと横浜マリノスと手を結ぶチームが現在は6チームも存在する。更に日本人3選手を擁するナコンラチャシマに限っては、日本での実績充分な神戸清雄さんが監督に就任し、急激に勝ち星を重ね昇格圏内を射程距離に捉え始めている。
急速にタイと日本のサッカー界の関係が密接になっているような感じする。以前は年始のTOYOTO Super Cupでしかタイで日本のチームを観る事は出来なかったが、近年はキャンプ地として3チームが来タイした他、ACLで当たり前のようにJリーグチームがタイを訪れるようになって来ている。埼玉出身の俺は浦和レッズがACLという真剣勝負の場をタイで観戦出来たこと自体、未だに信じられない思いでいる。
このチーム間の業務提携、はっきりと表に形として表れているのはユース年代の交流といったところか。これはバンコクグラスのユースチームのコーチであり、Jリーグアンバサダーの丸山良明氏あってのことであろう。彼のタイでの活動は本当に多岐わたり、素晴らしい活躍を果していると感じる。
上記の6チームの中でレンタル移籍を実現させたのがコンケーン。7月に中原彰吾選手と永坂勇人選手という19歳コンビを獲得した訳だが、このチームには名古屋や京都などで活躍し以前からタイへの移籍の噂が囁かれていた中谷勇介選手が在籍している。しかしバンコクから気軽に行ける距離に無いコンケーン、以前から凄く気になっていたチームなのであるが…そんなコンケーンを8月中旬にやっと観戦する機会を得た。
Division 1のシンタイポートとの試合(この試合の詳しい”観戦レポート”は機を改めて発表しようと思う)、試合開始からエンジン全開で激しいチェックをし捲くるレフティーの中谷選手の姿があった。残念ながらこの試合の前半15分頃からしきりに足の痛み(観戦していて原因や故障個所は確認できなかったが…)を気にし始めた中谷選手、彼の運動量低下と共に徐々にチームも衰退していき、中谷選手が交代した後半頭からはシンタイポートの独壇場となってしまった。逆の見方をするならば彼あってのコンケーン、完全に彼中心のチームということか。
経験豊富な34歳は、異国での新生活で戸惑いを隠せないであろう新加入した若い2人の選手にとって、本当に有難い兄貴分的存在なのではないだろうか。このように今回は勝手に俺の想像を交えて書かせて貰ったが、一度取材をし中谷選手の人となりに触れてみたいと思う。そしてしっかりと記事を書かせて貰えたら…なんて考えている。
とにかく日本サッカー界が急激に近くなっているタイで、これから更にどのような形で日本の新たな風が入ってくるのか…本当に楽しみである。
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
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