2012年8月3日 掲載
“プアン・マーライ”…タイの花数珠(生花に糸を通して数珠状に編んだもの)、お寺や精霊を祀る祠等に供える感謝の気持ちを表すもの。
タイでは各建物ごとに仏様を祀った祠があり、沢山の”プアン・マーライ”や何故かFantaのストロベリー風味の赤い飲み物がお供えされています。タイ人はこの祠を見掛けると何時いかなるときでも手を合わせて”ワイ”をします。僕がタイに来た当初、一生懸命憶えたてのタイ語で話し掛けている時も、いきなりどっかに向かって”ワイ”をするので「えっ、何×2!?今何したん!?」って思っていました。
この”プアン・マーライ”はタイ人が乗る車にも当然のように飾られています。バックミラーに掛けられている場合が殆どかなぁ。この花、「綺麗だなぁ」と触ろうとすると怒られます。他人がやたらと触ってはいけない神聖な物なのです。あとは車内の天井に金色や白色で祠の絵を書いたりしてますね。ちなみに日本で車は大体10万㌔乗ると下取り価格がつかなくなると思うんですけど、タイでは大体30万㌔位平気でみんな乗ってますね(正規の車検は無いみたいです)。
“プアン・マーライ”は生花ですから、車内は凄く良い香りに包まれます。と同時に当然生花ですから、黄ばんできたり枯れたりしてきます。タイでは信号待ちの時にこの”プアン・マーライ”の売り子が物干し竿のような物に沢山引っ掛けて売りにきます。
僕がタイ人チームメイトの車に乗せて貰ったときの話。信号待ちをしていた時、黄ばんできた”プアン・マーライ”を替えようと売り子から買った彼は、新しい”プアン・マーライ”を持ったまま”ワイ”をして気持ちは注入。新しいのに付け替えると、古くなった”プアン・マーライ”を持って今までの安全をありがとう的に”ワイ”をすると…おもむろに窓を開けてポイッ!!捨てちゃった。「え~~~~っ(捨てちゃうのかよっ)!!」
良く分かりません、タイの信仰の基準が…。
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand