2012年7月24日 掲載
タイ人はイベントごとが大好きみたいです。当然サッカーチームもシーズン前の新体制発表時は記者等の報道陣を大勢呼んで盛大に行われます。前期と後期、カップ戦とそれぞれユニホームのデザインを変えるチームが多いのですが、その時もステージを作って大々的に発表をします。チームマスコットがいるチームも多く、マスコットガールが毎回会見の場や試合会場に華を添えます。
そんな場でもタイは縦社会ですから、オーナー(プレジデント)がスピーチする時間は必ずといって良いほど設けられています。しかも…長い、物凄く長い。僕が所属したチームの新体制発表記者会見は3時間程行われたのですが、プレジデントの話が2時間半でしたからね。元Jリーガーによるサッカー教室では、スポンサーの方の話が長く、こども達がサッカーする時間が30分程削られてしまったという珍事がありました。しかも話が長い人に限って自分の番が終わったら直ぐに会場を後にしてしまうという…。
僕は昨年1月、タイでプレーをするために色々なチームの練習に参加をしたのですが、あるチームでの練習参加2日目でいきなり「明日新体制発表会見があるから正装して来いっ!!」と告げられました。まだ契約もしていないタイミングで…それにサッカーをしに日本から来ていたので、当然スーツなんて持って来ていません。「スーツなんて(日本から)持ってきていないんだけど…」と伝えると、「何言っているんだっ!?ジーンズにポロシャツだよ」だって…これがタイでは正装なんですかっ??しかも会見の場では「新加入の日本人です」と普通に紹介されてしまいましたからね。
僕が所属したチームはここでも物凄い事を仕出かしてくれました。今年2月に行われた記者発表会見。まだどの選手もチームと契約を交わしていないタイミングで行われました。プレジデントの永遠に続くのではという話が終わって、次に選手紹介をスクリーンを使って行う事になりました。昨年背番号1番だった選手が移籍していたので、2番を着けていた僕の紹介が最初に行われ、「まだサインしてないし。」と思いながら画面を見てみると…昨年の写真に今年の新ユニホームを張り付けてある。しかも明らかに質が悪い。中には顔と胴体が別人なのではと思われる選手も何人か…ここまでくるとホント笑ってしまいます、ほんと何でもありなんですね!!
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand