2012年7月15日 掲載
アイシングという言葉をご存じでしょうか!?スポーツ選手は運動後、打撲や筋肉の貼り、捻挫等の痛みに対して患部にアイシング(氷で冷やす)して身体をケアします。大概はクーラーボックスに氷を一杯入れてグランドまで持ち運び、練習後に氷嚢やビニール袋に入れてアイシングに使います。
暑い夏にはこの他にドリンク用の氷も用意されるので、クーラーボックスは更に必要になります。タイは一年中暑いですから、僕の所属したチームはクーラーボックスを常時3つ使っていました。水の消費量は半端ないですから、練習後にはアイシング用の氷が残っていなかったなんて事は日常茶飯事でした。
遠征試合の多いタイ、ナイターが多いので帰りはバスで長時間移動が多かったのですが、ここで僕たちのチームのクーラーボックスと氷は冷蔵庫へと早変わりします。「寄った先のコンビニ等でその都度冷たいビールを買えば良いじゃん!!」と思われるかもしれませんが、ここタイでは”お酒が24時から変えなくなる”という決まりがありまして…「プロ選手なんだからお酒は控えろよ!!」と言われてしまうと元も子も無いのですが…。万一買えなくなる事を避けるために、早めにお酒が売っている店を見つけて、みんなでお金を出し合って買いだめをしておくのです。
タイの大型バスの殆どは改造してあって、クラブのようなスピーカーで低音を聞かせて爆音を鳴らします。そこでダンスミュージックや洋楽を聴き、みんなではしゃぎ合いながら帰って来ます。でも段々とバンコクが近付くにつれて酔いも回って来てみんな”オ○ッコ”が近くなってきます。深夜ですので、ガソリンスタンドも少なく間に合わなくなってくると…運転手に頼んで路肩に止めて貰って、いわゆる”立小便”をします。
ここで信仰深い仏教の教えが顔を出してきます。「”オ○ッコ”は体内の悪い物を排出してくれている」という事で”オ○ッコ”が終わるとその場でワイ(合掌)をするんですね。いくら酔っていても必ずそれをする。
高速道路や田舎道で路肩にバスを止めて、並んでワイをしている集団を見たら、それは立小便をしている”Rajpracha・ラパチャ(僕の前所属チーム)”の選手達かもしれませんね(笑)!!
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand