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タイ在住のサムライを自称する変人ポー。タイ山岳少数民族アカ族・村長の娘と結婚、一男一女をもうける。2022年3月に二冊同時出版をした『変人ポーの人間力』では独自の哲学を展開し、『変人ポーの平和論』では千年計画での世界平和を本気で考える。この連載では「人生たったの一度きりだから…」と豪語する彼の哲学を深堀りしてみる。(インタビュアー:梅田 隼人)
その時、変人ポーは400年前にアユタヤで活躍した山田長政について言及していた。最近、約20年ぶりに山田長政の本を読んだのだと言う。タイ在住で自称サムライを豪語する変人ポーにとって、山田長政はどのように映っているのか、聞いてみた。
変:率直に言ってすごくおもしろかったですね。何がおもしろいって、20年前に読んだ時の自分の“読解力”と、いまのそれとがまるで違うんですよ。
梅:いきなり何を言ってるんですか?
変:小学生の時に行く京都の修学旅行って全然楽しくないじゃないですか。でも、大人になって京都に行ってみると感じ方がまるで違う。これと同じようなもので、要は、おもしろかったんです。ひいては、読解力の大切さを痛感しました。
梅:くわしく教えてください。
変:本を読んでると色んな地名が舞台として出て来るんですよ。アユタヤやバンコクは勿論、ペッチャブリーやナコーンシータマラートだとか、あと長政は遠征にも行くのでヤンゴンだったりプノンペンだったり。それから当時の世界情勢としてスペイン・ポルトガルとオランダとの対立であったり、日本では徳川と豊臣の対立もあったりで、こうした山田長政の物語の背景にある事情を20年前は何も知らなかったんです。あれはたしか、タイに来て1年も経ってない頃に読んだものですからね。
梅:なるほどです。それがいまでは、その背景にある事情を理解しているためにその読解力もまた、以前とはまるで異なるということですね。
変:頭で理解もしていますし、体でもいま話にあがったような場所にはすべて行って自分の足で歩いているわけですから、尚更のことですね。
梅:でも、だからと言って何なんでしょう? 我々は、今回の話から何を教訓として学べるのでしょうか?
変:教訓と言うのなら、それこそこの“読解力”のことですよ。人がもし、本気でこの教訓を活かすには、自分の読解力を常日頃から疑ってかかるべきですね。「果たして自分の理解で合っているだろうか?」って。
梅:いまいちピンと来ませんので、事例を出してもらえませんか?
変:以前、事実と意見の違いについてお話したのがその代表的な事例ですね。資産と負債の違いもそうですよ。その言葉の持つ意味の理解をひとつ間違えるだけで、人生規模と言っても過言ではないほどの影響が出るものもあるので注意が必要です。
梅:その意味を間違って理解しているがために、人は資産だと思って負債を買うってやつですね。他にも何か事例はありませんか? もっと身近なものでも。
変:最近ではネットショッピングは当たり前ですね。タイでも盛んです。例えば「翌日発送」の商品を買ったお客さんが「翌日になっても届かない!詐欺ですか?」とショップにクレームを言った場合、梅田さんは何を思いますか?
梅:まず、「詐欺ですか?」というのはどうかと思いました。このお客さんもこれだけの情報でしかないのだとしたら、誹謗中傷とは言いませんが、いささか言い過ぎかと思います。
変:ほら、早速(笑)。詐欺は囮でした。読解力のない人が言いそうなセリフを引用した単なる嫌味で、他意はありません。肝心なのは、このお客さんの読解力がないために「発送」の意味を理解していないということです。「翌日発送」は「翌日に到着しますよ」という意味ではありません。あくまでも「翌日に発送しますよ」という意味です。なので、ここで問題なのはお客さんが指摘するショップ側の翌日発送ではなく、お客さん自身の読解力だったんです。
梅:……お恥ずかしい限りです。
変:何も恥ずかしがることはないですよ。誰だってこの手の間違いは大人になっても犯すものです。とは言え、この読解力は日本人の中では近年、低下の傾向にあるようなので我々はこれを見直さなければならないかも知れません。また、私の山田長政の例にあるように、段階的な要因にも影響するものなので、やはり大切なのは自分の読解力を常に意識して確認してみることです。
梅:ありがとうございます。ところで、変人ポーの中で山田長政像というのは、どういったものなんでしょうか?
変:そもそも、そんな話でしたね(笑)。タイに住むサムライとしてはリスペクトでしかありません。シンプルに海外で活躍するサムライの生き様は日本人としておもしろいですし、さまざまな人の欲望(利)が渦巻く中で山田長政という人は最後まで義を貫いた人でありました。
梅:義と利と言えば、変人ポーが好きな坂本龍馬は“利”でもって薩長同盟を成し遂げた人でもありますよね?
変:それについては次回にお話ししましょう。山田長政の義と、坂本龍馬の利の話です。
<続く>
<内容紹介>
『変人ポーの人間力』
もっと早く読んでいれば……!母国日本の未来を圧倒的スケールと独自哲学で綴る啓蒙書。テクノロジーの現代に必見の英知を凝縮した一冊。葉装家 稲荷重藏氏推薦!
『変人ポーの平和論』
世界80億人が必見!”それ”を維れ新めるにはこの本にあるような教育が必要だ。教育は、全てである。 郷士坂本家十代目 坂本匡弘氏推薦!
全国の書店、Amazon、Kindleにて好評発売中!
『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』二冊同時出版をしたその理由とは!?
別書『人間力』はこれからの時代における自己啓発がテーマとなる。具体的にはテクノロジーとグローバル社会においての“超実践的”自己啓発本で、本書『平和論』 はその“超具体的”方法論の一つをまとめた内容となっており、両書は“対”になっていることが特徴だ。そしてこれは“知識”と“知恵”の対のことであるとも言えよう。つまり、知識の『人間力』、知恵の『平和論』ということにもなり、どちらか一方が欠けてもその魅力は半減してしまう。
ここで知識と知恵の違いについては、変人ポーの言葉をそのまま引用する。
「知識はあくまで知識だ。知識は行動を伴うことにより知恵となる。そして、この知恵は答そのものだ」
よって書籍『人間力』だけでは単なる自己啓発本に過ぎず、これでは従来の自己啓発本とともに単なる知識で終わってしまうこととなる。書籍『人間力』は、知恵の『平和論』という背景があってより現実的な哲学として完成する。
また書籍『平和論』だけでは机上の空論、あるいは“事実と意見の違い”もわからぬままに誤解され兼ねない。書籍『平和論』は、知識の『人間力』という裏付けがあってはじめて現実的な方法論となる。
本書を読み終える時にはこの意義が本当の意味で理解していただけることを祈念しつつ、ここに紡いでいく。
<『変人ポーの平和論』はじめにより抜粋>
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