泰国の変なスポット http://maleangpo.blogspot.com/
「泰国の変なスポット」というタイ好きなら誰もが心惹かれてしまうタイトルのブログは、まずは美しい写真と、スポットの一つ一つの細やかな説明に感心してしまう。タイには「地獄寺」と呼ばれる、地獄を再現した寺院など、日本人の感覚からは「???」と首をかしげてしまう場所が多い。そんなマニアックな場所に焦点をあててブログを更新し続けるのは大変なことではないだろうか?maleangpoさん自身も帰りの交通手段の心配で冷や汗をかきながらたどり着いた場所も多いのだそう。しかし、タイとは奥深い。このブログを読む限り、通常のガイドブックに飽きてしまったら、ぜひとも行ってみたい穴場ばかりだ。
特にタイが好きだったわけでもなく、突然会社から赴任を言い渡され、タイへ渡ったmaleangpoさん。一体どんな方なのだろう?
Q ブログのプロフィールには「2004年に仕事でタイに飛ばされてしまった可哀想な人」と書いてありましたね。タイへの異動は希望したものではなかったのですか?
赴任の4ヶ月ぐらい前に会社から赴任を言い渡されました。少なくとも立候補はしていませんでしたね。以前に一度だけタイに旅行に行った事があったんで、それほど心配はしていませんでしたが、やはり初の海外赴任で何年もの赴任を言い渡されると、言葉も、衣食住も、テレビや音楽、その他趣味も、どれに対してもやっていけるのか不安はありました。
Q 現在は日本にお住まいということですが、日本に戻った時はほっとしましたか?それとも悲しかったですか?
半分半分といったところです。タイではNHKとインターネット、新聞ぐらいしか、日本の情報を得るソースがないですし、バンコクも一通り回ると、あまり娯楽というものもないので。・・・だから、色々タイの地方へ巡業に行くようになったわけです。でも、常に日本が懐かしいという思いはありました。 しかし、バンコクでも比較的BTS等、交通の便のよいところにアパートがあったため、食費その他の安さも含め、タイでの少し贅沢な生活から離れる名残惜しさもありました。もちろん、タイで知り合った人たちと逢えなくなるのも、悲しかった理由のひとつですね。
Q 日本でも「変なスポット」を探しているのでしょうか?
現在は、たまに他の人が発掘したところを周るので精一杯ですね。もともと「変なスポット」というブログタイトルですが、読んでもらうとわかるように、普通のスポットもたくさん周っていたりします。日本でも、変なところ、普通のところ含め、近場を中心にいろいろ周っています。 最近は、電車を使って周ることと、お城めぐりなどをしています。
Q 駐在するまでタイにはどんなイメージがありましたか?
前出の一度だけ旅行でバンコクに行ったときには、少なくとも東南アジア→発展途上→汚い、何もない、犯罪が多い… みたいなイメージはなかったですね。バンコクのガイドブックにあるような、渋滞のイメージ、レディーボーイのイメージあたりが強かったです。 ただ、やはり英語すらだめな私の立場からすると、あくまで言葉の通じない異国というイメージは、皆さんと同じだったと思います。
Q 住んでいる間にタイは好きになれましたか?
もともと深く考えない性格なのと、せっかく来たからには楽しまなくては、といった考え方なので、タイの生活もすぐに慣れました。 さすがに毎日だと飽きますが、タイ料理が比較的自分にあっていたのと、飽きた際に周りにいくらでも日本料理、中華などが食べられるといった環境は大変よかったですね。 お酒自体はそこまで安いイメージはありませんでしたが、ローカル向けの生ビールなんかの安さは最高でした。
最後までダメだったのは、タイ人のいい加減?な性格ですね。自分もいい加減なのですが、その自分が「いい加減?」と思ってしまうぐらい、ひどい人が多かったんです。
Q 写真をメインにした見ごたえのあるブログですが、ブログを始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?また、あえて、タイの「変なスポット」を紹介しようと思ったのはなぜですか?
もともとブログを始める気はありませんでした。
赴任1年もすると、することもなくなるので、土日を使ってロッブリを皮切りに少しずつ1人で周るようになりましたが、そのころは普通の有名なところや、県庁所在地を周っていました。ただ、そういうところもそのうちいくところが無くなり、少しずつマイナーなところを周るようになったんですよね。そのうち平日の夜も、バンコクでは一通りすることも無くなって、インターネットとテレビを見ることしかなくなってきて、暇なので何かすることはないかな?という、まったくネガティブな理由で始めました。
Q タイに「変なスポット」が多いと気が付いたのはいつ頃ですか?
タイに赴任したときは、タイのことをあまり知らないので、とにかくネットでいろいろ調べていました。そのときにたくさん引っかかってきたのが、タイにある地獄寺を含めた、変わったお寺でした。 ただ、最初の頃は言葉の問題もあり、自力で行くこと叶いませんでしたが。
Q 一番強烈だった変なスポットはどこですか?
難しい質問ですね。強烈だった変なスポットは、ワットムアンをはじめとする地獄寺全般とかいくらでもありますが、強烈だったエピソードとなると… 上記スポットと関係ありませんが、4連休にイーサン北部に行こうと思い立ち、金曜の夜にバスターミナルに行ったのですが、帰省のために押しかけたタイ人でいっぱい。 何とかウドンタニ行きの夜行エアコンバスは確保できたのですが…。2人がけシートに3人押し込まれ、しかも同席したタイ人親娘が100kgクラスの巨漢で、自分の座ることの出来る場所は1人分の座席の半分程度で、ギュウギュウ詰めのまま、一晩過ごす羽目になったのは、強烈な体験でした。まあ、無料でバスに乗れる兵隊さんたちは、下の荷室に押し込められていたので、まだマシだったようですがね。
Q 相当の数の地方を巡って、変なスポットを紹介しているのですが、情報収集はどのように行ったのですか?
もちろん最初は日本語ガイドブックを片手に周って有名なところを周っていました。が、簡単にいける、有名なところをひと通り周ってしまうと、次に日本語HP、タイ語ガイドブック、タイ語HP… と、どんどん難易度の高い方法に移っていきました。
Q たどり着くのに苦労するようなマイナーな場所もあったのではないですか?苦労した場所への交通手段やその旅のエピソードを教えてください。
特に最近行ったところは、どこも苦労していますよ。公共交通機関を使ったとしても、ソンテオで地方の町に行き、そこからモタサイを探して…あればいいんですけど、ない場合は冷や汗たらたらです。帰りのソンテオがないなんて、ザラですですからね。レンタルバイク等を使うにしても、とにかく狙うところは超田舎なので、常にガソリン残量と格闘することになります。いつも何時バイクが止まるか、ひやひやしながらガススタを探すことになりますね。
Q 一番気に入った地方都市はどこでしたか?また、その理由は。
イーサン地方の町はどこも居心地がいいですね。まあ、月並みですがコラートの街は、程よく便利で程よく田舎で、調度良い感じです。あまり田舎過ぎると、食堂すらなかなかないので、これぐらいが無難ですね。
とにかく、ビールを飲みながら、安くておいしいイーサン料理が食べられるお店がいくつもある町が好きってことです。外国人(日本人もですが、北欧人とか)が目に入らないぐらいですと最高なんですけどね。
Q) 変なスポット」に焦点をあててブログを続けるのは大変だったと思うのですが、続けるにあたり何か工夫したこと、続けようという励みになったことがあったら教えてください。
苦労したのは、やはり変わった場所をリサーチすることですね。私の望むようなスポットは、意外に?タイ人には興味のない人が多いようで、ネットでもなかなか新しいところを見つけることが難しいです。見つけたら見つけたで、以前何回も行ったところにぽつんとあったりして、そこだけのためにわざわざ行くのも…となるため、意外にどういう風に周るか、何時行くかなどで悩みます。
続けようという工夫は特にありませんが、やはりマイナーブログとはいえ、何人かの読者の方がいると思いますと、もっといろいろなところを紹介しないと!といった感じに励みになりますね。
Q タイ在住の間に行けなかった「変なスポット」はまだありますか?また、行きたいともくろんでいるタイの「変なスポット」はどこでしょう。
いくらでもあります。 行きたくても行けなかったところもありますし、日本に戻ってから新たに作られたり、発見されたところも多々あります。地獄の併設されたお寺も、どんどん増えているようですし、うらやましい限りです。
まあ、とりあえず現在気になっているのは、チャチェンサオ県に出来たらしい、巨大ガネーシャの立像ですね。普通のスポットなんかも、まだまだ全然周れていません。メーホンソーン県、トラート県(チャーン島)や、南部の方の県も全然行ってませんので、いつか周ってみたいですね。
Q 「変なスポット」に焦点をあててブログを続けるのは大変だったと思うのですが、続けるにあたり何か工夫したこと、続けようという励みになったことがあったら教えてください。
そうですね、あまり工夫はしてないですが、いかにマイナーで面白いスポットを探すか…ということについては、いつも苦労しています。もちろん、みなさまからコメントをいただいたり、個別でメールをいただいたりすると、うれしくて励みになりますね。
Q maleangpoさんにとってタイとはどんな場所でしょう。
生まれも育ちも愛知県ですが、タイは結局6年弱も生活しました。大学時代も一人暮らししましたが、4年程度なので、言い過ぎかもしれませんがもう第2の故郷という感じですね。日本もいいですが、タイ独特ののんびりした雰囲気は、日本のお勤めに疲れた身には、癒しを与えてくれる国かもしれませんね。
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既に日本に帰国しつつも、まだまだ行ってみたい泰国の変なスポットに思いを馳せるmaleangpoさん。新たなタイ旅のバイブルとして、参考にしてみてはいかがだろう?
(2013年4月15日掲載)