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「WE HAVE BALOON(風船あります)」
ラオス・バンビエン中心部のバーの前の目立つところに出ていた看板ですが、何のことか分かりますか?実はこれ、バンビエンでは「HAPPY BALOON」だとか単に「BALOON」と呼ばれる、いわゆる「風船ドラッグ」のことです。
「風船ドラッグ」とは、中に笑気ガス(亜酸化窒素)を入れて膨らませた風船のこと。笑気ガスを吸引することで多幸感が得られるとしてイギリスで大流行したものの、酸欠などにより何人も死者が出て、社会問題化しました?笑気ガスは、以前は日本でも気軽に手に入れることのできる知る人ぞ知る存在だったそうですが、最近では「ドラッグ」として認知されるようになり、厚生労働省は販売の規制を強化したのだそうです。
今でこそバンビエンは家族のツアーでも訪れるようなメジャーな観光地になりつつありますが、かつてのバンビエンは物価も非常に安く、「ハッピー」を求めて集まるヒッピーやバックパッカーの隠れ家のような場所でした。街中のレストランなどでは普通に「ハッピーシェイク」や「ハッピーピザ」といった、マリファナやマジックマッシュルームの入った「ハッピーメニュー」が売られていましたし、道を歩きながらマリファナを吸う旅行者も当たり前のようにいたものです。しかし当然マリファナはラオスでも違法のため(マジックマッシュルームの違法性は不明)、今では堂々と販売されることは少なくなったようです。実際に今回のバンビエン滞在中に「ハッピーメニュー」を見たのは、ある1軒のレストランのみでした。
一方「風船ドラッグ」は、日本でも最近になって規制が強化されたばかりですので、ラオスではまだ恐らく合法なのでしょう。レストランやバーでは普通に看板を出して売られています。特にバーでは風船ドラッグを販売するカウンターはいつも人が一杯で、次から次へと新しい風船を膨らましては、お客さんが風船のガスを吸引するという場面が見られます。あまりも普通に売られていて、非常に多くの人が普通に吸引しているので、気軽な気持ちで「試してみよう」と思う人も出てくるに違いありません。現在ラオスでは合法なのかもしれない「風船ドラッグ」ですが、命を落とす可能性もある危険なドラッグであるということは忘れてはなりません。
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