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タイ中部ラチャブリー県バーンポン郡で2025年2月23日、83歳の男が60歳の元恋人を刃物で刺し殺し、バイクで逃走しました。警察は同日、ナコンパトム県のエビ養殖場付近で身を潜めていた男を発見し、逮捕しました。男は取り調べに対し、「嫉妬と暴行されたことが原因だった」と供述していますが、被害者の娘はこれを信じず、謝罪の受け入れや保釈を拒否する姿勢を示しています。
警察の取り調べによると、事件当日、男は被害者と口論になったと供述しています。以前、被害者が「男に自転車を盗まれた」として警察に通報しており、男はこの通報の取り下げを求めました。しかし、被害者は応じず、さらに5,000バーツ(約2万円)の金銭を要求したといいます。男は「お金を持っていなかったため断ると、被害者が果物ナイフで頭を切りつけてきた。そこで刃物を奪い取り、3回刺した」と説明し、「その時は被害者が死亡するとは思わなかった」と述べています。
事件後、男は近くに停められていた他人のバイクを盗み、運河沿いの道を走って逃走しました。その後、コークモーでバイクを捨て、徒歩で移動し、住民の車を5回ヒッチハイクしてナコンパトム県サラクラティアムのエビ養殖場に身を隠しました。住民には「妻と喧嘩しただけ」と偽り、小屋に滞在していました。
男は「嫉妬心と警察への通報が取り下げられなかったことが原因だった」と供述し、「計画的な犯行ではなく、パニックになって逃げた」と説明しました。また、逃走中に住民の携帯電話を借りて娘に連絡を取り、「2月25日に出頭するつもりだった」と話していますが、警察に先に逮捕されました。さらに、男は40年前にも殺人事件を起こした過去を持つことを認めています。
事件後、ラチャブリー県バーンポン郡ターパのワット・ターパで被害者の葬儀が行われました。被害者の娘は、「母が先に攻撃するはずがない。むしろ争いを避ける性格だった。犯人の言うことは信じられない」と述べました。また、「葬儀に来ても謝罪を受け入れるつもりはない。許すことは絶対にない。むしろ直接会って『なぜ母を殺したのか』問いただしたい」と語り、今後も警察の捜査に協力し、犯人の保釈には断固反対する考えを示しました。
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