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タイ南部チュムポーン県で2025年2月16日、87歳の僧侶が94歳の住職に刃物で重傷を負わせた末、住職が死亡する事件が発生しました。加害者の僧侶は、長年住職から厳しい扱いを受けていたと供述しています。
事件が起きたのは2月16日19時30分頃で、場所はチュムポーン県ムアン郡タムシンのワットラッタナモンコン(ワットフアイケーオ)です。警察に通報があり、現場に急行しました。現場はアジア41号線から約3キロの地点で、境内のコンクリート道には大量の血痕が残されていました。
被害者は、ワットラッタナモンコンの住職で94歳の高僧です。23年間僧籍を持ち、特別な階級の僧侶として活動していました。事件当時、刃渡り50センチの湾曲した刃物で顔や腕、頭部を斬られ、深い傷を負っていました。すぐに病院に搬送されましたが、その後死亡が確認されました。
加害者は87歳の僧侶で、17年間僧侶として生活していました。事件後、彼は逃走せず僧坊前で警察を待っていました。警察は彼を拘束し、町の僧侶組織の高僧らと共に強制的に還俗させ、僧籍証明書を破棄しました。その後、彼は殺人罪の容疑で警察に身柄を引き渡されました。
加害者は供述の中で、長年住職から厳しく扱われていたと語りました。事件当日、庭で木の手入れをしていたところ、住職がやってきて家族を侮辱する発言をしたため、衝動的に刃物で斬りつけたと話しました。事件後は「罪を償う」として、その場で警察の到着を待ち、自ら出頭しました。
村人によると、加害者の僧侶は質素な生活を送り、多くの信者に慕われていたということです。彼の僧坊は村人が共同で建てたもので、寺を訪れる多くの人が彼のもとを訪れ、住職の僧坊にはあまり行かなかったとのことです。住職はこの状況を快く思わず、最近では加害者の僧坊の隣に新たな僧坊を建設しようとしていました。建設計画はすでに進められていましたが、事件の発生により中断されました。
今回の事件は、単なる口論ではなく、長年の確執と対立が背景にある可能性が高いとみられています。
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