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タイ政府は、外国企業がタイ人名義を利用して事業を運営する「名義貸しビジネス」の取り締まりを強化しています。2024年9月から12月にかけて、当局は全国で783件の名義貸し事業を摘発し、総額1,178億バーツの経済被害を明らかにしました。さらに、2025年1月には新たに37件の事例が確認され、7億1,000万バーツの被害が発生しています。タイ政府メディアNNTが2025年2月13日に伝えています。
名義貸しビジネスは、外国企業が1999年外国人事業法を回避し、タイ国内で違法に事業を展開する手法の一つです。これらの事業の多くは、観光業や不動産業、オンライン市場、建設資材販売、会計事務所、物流など多岐にわたります。特にバンコク、プーケット、プラチュワップキーリーカンなどの観光地での事例が多く確認されています。
当局は、タイ人を名義上の代表者とすることで、外国人が実質的に経営する違法ビジネスを摘発するため、バンコク都庁や地方自治体、入国管理局、税関、王立タイ警察など20以上の政府機関と連携して捜査を進めています。違法な名義貸しビジネスは、低品質の輸入品販売や税制の不正利用、さらには資金洗浄などの問題を引き起こしており、経済の公正性を損なう要因となっています。
また、タイ政府は名義貸しビジネスに関連する金融活動の監視も強化しています。2025年1月には、オンライン犯罪対策センターが20万4,000件のマネーミュール口座を特定し、1,000以上の事業体と関連する違法な資金の流れを捜査しています。これらの事例は、中央捜査局(CIB)、タイ資金洗浄対策事務所(AMLO)、特別捜査局(DSI)などの機関に引き継がれ、さらなる法的措置が進められています。
政府は、今後も名義貸しビジネスの根絶に向けた大規模な査察を実施し、不正な金融ネットワークの排除に取り組む方針です。当局は、これらの対策がタイ経済の安定と公正な競争環境の確保につながると強調しています。
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