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韓国のYouTuberグループが、韓国内で違法に就労するタイ人労働者を標的にした動画を制作し、物議を醸しています。彼らは巧妙な手口でタイ人を誘い出し、警察に通報して逮捕・送還させる様子を動画に収め、視聴数を稼いでいます。さらに、違法労働者の取り締まりを口実に寄付を募り、通報者には報奨金を与える仕組みまで用意されています。
韓国国内ではこの活動を「正義」と称賛する声もありますが、一方で「視聴稼ぎのための魔女狩りではないか」「外国人労働者の基本的人権を侵害している」といった批判も高まっています。
韓国のYouTuberグループは、ターゲットのタイ人をおびき寄せるために計画的な罠を仕掛けています。実際に被害に遭ったタイ人女性の証言によると、彼らは3人1組で行動し、1人が「友好的な態度」で接近してドアを開けさせます。その直後、待機していた仲間が突入し、警察を呼ぶという手法が取られています。
また、YouTuberはこれらの行動を動画として配信し、視聴者に「違法労働者を根絶しよう」と煽動しています。さらに、YouTube上で寄付を募ることで、活動資金を調達し、違法労働者を追い詰める行為を加速させています。
韓国国内では「不法労働者の摘発は正しいこと」と賛同する意見もありますが、「個人が勝手に取り締まりを行うのはやりすぎではないか」といった懸念も浮上しています。特に、YouTuberが警察と直接協力せず、動画を通じて通報を誘発している点に批判が集まっています。
一方で、タイ側の反応は強い反発を示しています。「違法就労は問題だが、こんな見世物のように扱われるのは許せない」「視聴数稼ぎのためにタイ人を餌にしているのではないか」といった声が多く上がっています。さらに、SNS上では「タイは過去に朝鮮戦争で兵士を派遣し、犠牲を払った。それなのに今、韓国はタイ人をこうして扱うのか」といった歴史的な視点からの批判も見られます。
この事態を受けて、タイ政府や労働団体は韓国で働くタイ人に警戒を呼びかけています。特に、YouTuberが活動を活発化させている大田(テジョン)地域では、以下のような防衛策が推奨されています。
見知らぬ訪問者にはドアを開けない(インターホンで確認する)
自称警察や配達員が来た場合、上司や友人に相談する
SNSで個人情報を公開しない(YouTuberがターゲットを探す材料にする可能性あり)
危険地域を避ける(特に大田市では要注意)
現在までに、タイ人女性数名が逮捕・送還されたとのことです。
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