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タイ内閣は、プリンス・オブ・ソンクラー大学(PSU)が主導する「ソンクラーナカリン病院プーケット」の設立に向け、31.4億バーツの予算を承認しました。このプロジェクトは、プーケットおよびアンダマン地域の医療サービスを強化することを目的としており、2026年から2029年にかけて実施される予定です。2025年2月2日の各報道が伝えています。
今回の予算は、4つの会計年度に分けて配分されます。2026年に7億4,950万バーツ、2027年に10億3,189万バーツ、2028年に9億3,892万バーツ、2029年に4億2,000万バーツが割り当てられます。また、PSUは予算手続法B.E. 2561の第26条に基づき、2026年の予算請求を予算局に提出する必要があります。
閣議の記録によると、新病院の設立はプーケットおよびアンダマン地域の公衆衛生システムが抱える課題に対応するために不可欠とされています。現在、この地域では複雑な病気に対応できる熟練した医療従事者が不足しており、医療や公衆衛生分野の人材育成も十分ではない状況です。特に、プーケットは高付加価値観光の拠点となっており、医療観光の需要が急増していることから、医療体制の強化が求められています。
PSUは、こうした課題に対応するため、医療教育および人材育成の強化を進めていく方針です。新卒医師の育成に加え、現職の医療従事者のスキル向上や専門技術の開発にも取り組み、公立・民間の医療セクターを支援する体制を整えていきます。
ソンクラーナカリン病院プーケットは、タイ政府の「医療観光大国」戦略の一環として計画されており、高度専門医療を提供する300床の医療センターとして機能する予定です。三次医療や精密医療、遠隔医療などの先進技術を導入し、地域の公衆衛生省管轄の既存病院と連携しながら、より複雑な疾患への対応や地域全体の医療体制の強化を進めていきます。
また、この病院は「プーケット・ヘルス・サンドボックス」プロジェクトの中心的な役割を担います。公衆衛生の発展と経済成長を融合させる取り組みとして、研究やイノベーション、持続可能性に重点を置いた医療モデルの構築を目指しています。PSUは、この病院を通じて、タイが医療観光分野における世界的なリーダーとしての地位を確立することを目指しています。
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