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プラチュワップキーリーカン県に位置するクイブリー国立公園で、野生象の求愛行動が観察され、その貴重な瞬間がタイ国立公園・野生動物・植物保全局(DNP)によって写真が公開されました。クイブリー国立公園は「野生象の楽園」として知られており、今回の出来事は自然保護活動の成功を象徴するものです。
クイブリー国立公園内で観察されたのは、オス象とメス象が繰り広げる繊細な求愛の儀式。オス象が特有の声を発し、仕草や触れ合いを通じてメス象に想いを伝える様子が捉えられました。このような自然の営みは、野生動物の生態系が健康であることを示す重要な指標とされています。
「求愛行動を目の当たりにできるのは非常に稀で、観察できたことは大きな成果です」と、クイブリー国立公園のアットポン園長はコメントしています。
クイブリー国立公園は、プラチュワップキーリーカン県の南西部に位置し、総面積969平方キロメートルにおよぶ広大な自然保護区です。この公園は、野生象をはじめ、トラ、ガウル、サイチョウといった希少な野生動物の生息地としても有名です。年間を通じて豊富な水源や食物が供給されているため、多様な動植物が共存できる理想的な環境が整っています。
2007年時点で150頭だった野生象の数は、2024年には250頭を超えるまでに増加。この背景には、タイ国立公園・野生動物・植物保全局が実施してきた長期的な保全活動があります。クイブリー国立公園は、タイ国内における象の生息地として重要な役割を果たしており、地域コミュニティとの協力を通じて、象と人間の共存を目指す取り組みが進められています。
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