|
|
タイ政府は、果物や野菜における農薬残留問題への対策を強化し、包括的なサプライチェーン管理を導入しています。保健省と農業・協同組合省が連携し、栽培から輸入、包装、流通に至るまで厳しい監視を行い、安全な農産物の提供を目指します。食品医薬品局(FDA)と医療科学局が主導するこの取り組みでは、リスク管理の改善と最新の残留基準への準拠が重視されています。タイ国営メディアNNTが2024年12月16日に伝えています。
2017年から2024年にかけて、国内産農産物2,193サンプルを検査した結果、18.65%が安全基準を満たしていないことが明らかになりました。今年は全国854か所の包装施設を対象に適正製造基準(GMP)への遵守状況を確認する検査が行われます。また、ブドウ、梨、セロリ、ホウレンソウなどリスクが高い輸入農産物については隔離し、徹底した検査が行われ、不適合品には輸入禁止や法的措置が取られる方針です。
FDAは販売業者に対し、追跡可能なサプライヤーから農産物を仕入れるよう助言するとともに、消費者には果物や野菜を真水や重曹水、塩水で十分に洗浄することを呼びかけています。また、多様な食材を取り入れ、旬の農産物を選ぶことで、農薬リスクを低減できると提案しています。
政府は、監視体制の強化や法令遵守の徹底、消費者教育の推進を通じて、農薬関連のリスク削減と持続可能な農業の発展を目指しています。今後も安全で信頼できる農産物の提供を確保するため、包括的な取り組みを進めていく方針です。
関連記事