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カオラックと呼ばれるエリア、タイ南部パンガー県タクワパー郡のナントーンビーチで、ドイツ人観光客が脚を噛まれる事件が発生しました。海洋沿岸資源局および地元自治体は現地を訪れ、海水浴に関する警告看板を設置しました。海洋環境学者のトーン氏は、傷跡からサメによる噛みつきと断定し、過去5~6年でプーケットやパンガー県で類似のケースが複数報告されていると述べました。各報道が伝えています。
2024年11月29日午前11時57分、57歳のドイツ人女性観光客がナントーンビーチで胸の高さほどの海中に入っていた際、大型の海洋生物に左脚を噛まれるという事故が発生しました。被害者は脚に噛み跡と裂傷を負いました。
事故後、カオラックラグーナリゾートのスタッフが被害者を近隣の医療施設に搬送。その後、プーケットの民間病院で治療が行われました。また、傷跡の写真がプーケット海洋漁業研究開発センターに送られ、魚の種類の特定に使用されました。
現地では観光客の安全確保のため、ホテル経営者に赤旗を立てるよう要請し、観光客に対し早朝や夕方に海に入らないよう注意を呼びかけています。さらに、クックカック自治体はタイ語と英語で記された警告看板をビーチの2か所に設置し、今後の事故防止に努めています。
プーケット海洋漁業研究開発センターによる初期調査では、噛み跡からオオメジロザメが犯人である可能性が高いとされています。事件の数日前には、タクアパ郡クックカック地域で地元住民がオオメジロザメ1匹を捕獲しており、この種のサメが浅瀬の濁った水域で餌を探していた可能性があります。
海洋環境学者のトーン・タムロンナワサワット博士によると、被害者の傷跡から、これはサメが人間を獲物と勘違いして噛んだ可能性があるとのことです。サメは噛んだ後、すぐに離れたため、獲物ではないと気づいたものと推測されます。これは「人間を狙った意図的な攻撃ではない」とされています。
博士は、観光客への支援や注意喚起の重要性を指摘しつつも、サメの捕獲や駆除には反対の立場を取っています。タイのサメは個体数が減少しており、海洋生態系のバランスを保つ上で重要な役割を果たしているためです。
過去にはプーケットでも同様の事件がありましたが、被害者が死亡したケースはタイ国内では約60年間確認されていません。また、サメによる噛みつき事故は3~5年に1度の頻度で発生しますが、同じ場所での再発は極めてまれです。そのため、過度に心配する必要はないとされています。
博士は、タイのサメの保護を訴え、サメを捕獲することなく観光客の安全対策を強化するよう提言しています。
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