タイの高級ホテル、観光客の急増を見越してハイシーズンに宿泊料金を値上げへ

ハイエンドのホテル運営者は、今後数ヶ月で観光客の急増が予想される中、ハイシーズンに備えて宿泊料金を引き上げる準備を進めています。一方、中級および下位クラスのホテルは依然として苦境に立たされていることが、ホテル運営者の意識調査インデックスで明らかになりました。バンコクポストが2024年10月17日に伝えています。

タイホテル協会（THA）の会長であるThienprasit Chaiyapatranun氏は、9月の平均客室稼働率が55％にとどまり、8月から7ポイント減少したことを指摘。これは、2019年の同時期の63.4％を大きく下回っていると述べました。

各ホテルのセグメントによって回復状況は異なり、9月の三つ星以下のホテルは45％の稼働率にとどまったのに対し、四つ星以上のホテルは58.7％を記録しています。

地域別では、北部のホテルの稼働率が8月の50％から9月には25.7％に急落しました。これは、多くの県で発生した洪水の影響によるもので、観光業に大きな打撃を与えています。中央部では64.4％の稼働率で最高を記録し、次いで東部が57.1％、南部と東北部はそれぞれ49％となっています。

Thienprasit氏によると、ほとんどのホテルはハイシーズンを活用して宿泊料金を引き上げる予定ですが、その上昇率は10％未満にとどまる見込みです。特に四つ星以上のホテルは、第三四半期の堅調な業績を背景に、20％以上の料金引き上げが見込まれており、中央部、東部、南部のホテルでこの傾向が顕著です。

THAによると、10月のこれまでの平均稼働率は55.6％で、第四四半期には宿泊客数が5～10％増加すると予想されています。

中国人観光客の動向については、35％のホテル業者がハイシーズン中に増加を見込んでおらず、27％は10％の減少を予測しています。38％の業者は、中国人宿泊客が10～20％増加すると予想しており、その多くは四つ星ホテルに集中する見込みです。

また、国内のタイ人観光客に対しても多くの期待は持たれておらず、65％が予約数が横ばいか減少すると予想しています。特に、19％のホテル業者は、タイ人宿泊客の減少が10％を超えると見ています。

Thienprasit氏は、洪水の影響を受けたホテル業界が懸念を抱いており、政府に対し、復興を支援するための救済措置や刺激策を求めていると述べました。洪水の影響が解消された地域でも、交通インフラの混乱により観光業がすぐに回復しないことや、観光関連企業やサプライチェーンが深刻な影響を受けていると指摘しています。

「第四四半期の観光復興には、低利融資や光熱費削減を支援する対策が不可欠です」とThienprasit氏は強調しました。

■Posh hotels to pump up rates｜Bangkok Post