タイ内閣、鉄道輸送法案を承認：安全基準強化と民間参入促進へ

タイ内閣は、タイ運輸省鉄道局が提案した鉄道輸送法案を承認しました。この法案は、タイの鉄道輸送システムの効率と安全性を高めることを目的としており、現在、国会での審議に向けた準備が進められています。2024年10月10日にタイ国営メディアNNTが伝えています。

タイ運輸省鉄道局によれば、この法案は、利用者が直面しているサービスの遅延やキャンセルといった問題に対応するもので、乗客の権利保護や運賃規制、安全基準の強化が含まれています。また、鉄道運営に関するライセンス制度を導入し、民間事業者の活動を監視しながら、憲法に基づき国が鉄道運営において少なくとも51%の所有権を維持することを規定しています。

法案の主要なポイントの一つとして、民間事業者がオフピーク時にタイ国鉄のインフラを有料で利用できるようにする仕組みが盛り込まれており、これにより競争を促進し、運営コストの削減を図る狙いがあります。タイ運輸省鉄道局は、契約内容が公平で消費者に利益をもたらすことを保証し、公共・民間パートナーシップのプロセスを簡素化し、鉄道ネットワーク全体の効率向上を目指すとしています。

さらに、法案は鉄道業界の安全基準を航空業界の国際水準に引き上げることを目指しており、鉄道事業者には厳しい安全プロトコルの遵守と独立した機関による検査が義務付けられます。この措置により、鉄道インフラの最適な活用と、安全で競争力のある鉄道輸送システムの構築が期待されています。

この法案は、タイの鉄道産業の競争力強化と国民の安全を最優先に据えた内容となっています。