タイ法務省特別捜査局（DSI）と国連薬物犯罪事務所（UNODC）、人身売買撲滅に向けて連携強化

タイ法務省特別捜査局（DSI）の代表団が、オーストリアの首都ウィーンにある国連薬物犯罪事務所（UNODC）を表敬訪問し、人身売買および国際犯罪対策に関する協力について議論を行いました。2023年9月23日に開催されたこの会合には、DSIの上級管理職およびオーストリアとスロベニアに駐在するDSIの海外拠点の責任者が参加しました。また、南アジア、東アジア、太平洋地域を担当するUNODCの地域セクターおよび人身売買と刑事司法部門の職員も出席しました。タイ国営メディアNNTが2024年9月29日に伝えています。

DSIの代表団は、46カ所の拠点ネットワークを含む国際的な活動について説明し、13カ所はヨーロッパに、2カ所はアジアに、残りはタイ国内に配置されていることを紹介しました。これらの拠点は、コミュニティと密接に連絡を取り合うためにデジタルプラットフォームを活用した情報ハブおよびアドバイセンターとして機能しています。このセッションでは、特にタイの国境付近での人身売買被害者の支援経験や、隣国で強制労働に巻き込まれたタイ人や外国人の支援についても詳しく説明しました。

DSIが提示した主な取り組みの一つは、「Mast Human Intelligence Application（マストヒューマンインテリジェンスアプリケーション）」の開発です。このアプリは、人身売買被害者を支援するために設計されており、タイ語、英語、ミャンマー語、クメール語で利用可能です。ユーザーは、位置情報を特定したり、苦情を申し立てたり、法的知識にアクセスしたり、当局とコミュニケーションを取ることができます。このイニシアチブには約2万人が登録しており、現在ではタイ国外で働く労働者を支援するために、労働省のシステムに統合されています。また、DSIは複数の国でアウトリーチ活動を通じて外国人の登録も促進し、台湾、ドバイ、アフリカの一部地域で被害者の支援に成功しました。

UNODCの代表者は、DSIの草の根レベルのアプローチと国際的なボランティアネットワークを称賛し、地域コミュニティを巻き込んで人身売買に対処する革新的なモデルとして強調しました。両者は、複雑な国際犯罪に取り組み、被害者への支援体制を向上させるために、引き続き協力と知識共有の重要性を確認しました。