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光ある所に影がある。経済発展が続くタイですが、それに取り残された貧困層がいます。そういった貧困層の生活のサポートをしている団体の1つが「バンコク・コミュニティ・ヘルプ・ファウンデーション(BCHF)」。2020年4月に創設され、以来、通算で200万人もの人々を助ける活動を行ってきました。
創設者は長年タイに住むビジネスマンのフリソ・ポルダーヴァートさんとグレッグ・ラングさんの2人。彼らはコロナがタイも襲った時、バンコクでも貧困層が多いクロントイ地区へ足を運びました。
「コロナは他の場所よりスラムで、より人々に打撃を与えていました。理由があります。小さな部屋に例えば10人も一緒に住んでいたりするのですから、誰か一人がコロナに罹ればみんなが感染してしまいます。コロナ患者の数はスラムであっという間に広がりました」
その上、経済的にも窮地に陥っていていたとフリソさんは言います。
「タイでは家族のうち1人や2人が働き、他のメンバーを養うという状況が特に貧困層で多いのです。そんな中、コロナで食を失う人が増えため、彼らの家族も日々生きていく術がなくなってしまったのです。食料も赤ちゃんのミルクも何もありません。人々は悲しみに打ちひしがれていました。私とグレッグは、これはなんとかするしかないと、まず フリーミールを毎日300食作りスラムで手渡し し始めました」
その後もバスケットボールコートに簡易ベッドを置いて、コロナにかかった患者をそこで保護したり、ワクチンの接種をしたりしました。2年に渡る格闘の末、ようやくコロナ禍が終焉。
フリソさんたちが次に目を向けた問題はクロントイ地区の子供の未来です。彼らのために最も必要な物は教育。タイの公立学校の授業料は基本的に無料です。しかし、制服や靴、体操着、教科書やノート、遠足、保険などは各家庭が自分たちで支払わなければいけません。子供たち1人にかかるその費用は年間4,850B。
「それを払えないため、学校に行けないという子がスラムでは20%にも上るのです。ドロップアウトした子供たちは悪い友人とつるむようになったり、ドラッグに手を出すようになったり、将来が見えなくなる確率がとても多くなります」
BCHFではこういった子供たちのために奨学金制度を作っています。あなたが年間4,850Bを寄付することでスラムの1人の子供が学校へ1年通えるようになります。子供たちから写真付きの感謝のレターが届き、希望すれば学校で面会をすることも出来ます。
他にも、私たち日本人にも出来ることがあるのでしょうか?
①不要な中古品の寄付
衣類、オモチャ、本、家具、電化製品など何でも構いません。「こんな風に古かったり、壊れていても大丈夫かしら?」と物怖じしないでください。それを有益に使ってくれる人々が必ずいます。スクンビット周辺を含め15か所の回収スポットがあって、そこに持ち込んで貰うことも出来ますし、無料のピックアップサービスも行っています。詳細は同ファウンデーションのホームページをご覧ください。
②寄付
同ファウンデーションのホームページに掲載されているQRコードを使えば簡単に寄付金を送付することが来ます。
③ボランティア
毎週火曜日~日曜日に行っている炊き出しの用意や配布を手伝うことが出来ます。同ファウンデーションにメールや電話で申し出てください。
[住所]
23 Sukhumvit 10 Alley, Khwaeng Khlong Toei, Khlong Toei, Bangkok 10110
[電話]
(+66)84 539 7380
[メール]
Info@bangkokcommunityhelp.org
[ウェブ]
https://bangkokcommunityhelp.org/
https://www.facebook.com/BkkCommunityHelp
https://x.com/BKK_community
https://www.instagram.com/bangkokcommunityhelp
[取材・撮影・記事作成 梅本昌男]
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