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パース・ナクン独占ロングインタビュー~日本に活動拠点を移したタイ人俳優がオモシロすぎた

2024年6月21日 配信

パース・ナクン独占ロングインタビュー~日本に活動拠点を移したタイ人俳優がオモシロすぎた

ここ数年注目を浴びている、タイのドラマ。中でもタイで「シリーズY」と言われるBLドラマは動画配信サービス各社を通じアジアを中心に熱心なファンを増やしています。出演している俳優たちは、主演のカップル役だけではなく、メインキャストそれぞれファンクラブができるほど人気者に。
それだけではありません。ドラマの主要キャストによるファンミーティング、所属事務所ごとのファンミーティングなど、大きな単位でのワールドツアーもあるのだそう。ワールドワイドなムーブメントを起こしているのです。
そんなタイの俳優の一人、パース・ナクンさんは、日本でのタイドラマブームを追い風に、タイから日本にやってきました。現在は、ホリプロに所属し、ミュージカルや、ドラマに出演。そして我らタイ好きにはお馴染みのタイの祭典「タイフェスティバル東京」のMCを2回連続で務めるなど、日タイの架け橋の仕事にも積極的に取り組んでいるのです。



彼には、現在大人気のタイ俳優さんたちと、大きく違うポイントが一つあります。それは、日本語がネイティブ並みに流暢であるということ。
タイBLドラマ出演の俳優さんが日本のホリプロに?これは相当面白い話が聞けるに違いありません。我々はウキウキしながらホリプロに向かったのでした!

 

オーストラリア生まれの豪タイハーフ

ーーパースさんはオーストラリア生まれのハーフのタイ人だと聞きました。

パース:その通りです。お父さんがオーストラリア人で、お母さんがタイ人で、生まれも育ちもオーストラリア。生まれてから20歳までずっとオーストラリアに住んでいました。

ーー確か今、29歳?でしたよね?

パース:あ、良い質問ですね(笑)!来月30歳になります。

ーーおめでとうございます!ということは…オーストラリアで生きてきた時間の方がまだ圧倒的に長いんですね

パース:ありがとうございます!そうです。タイに住んでいたのは9年半くらい。

ーーもしかして、パースさんという名前はオーストラリアのパースで生まれたからですか?

パース:はい。パース出身です。

ーーオーストラリア唯一の友達がパース出身なので「あれ?」と思いまして。

パース:えーっ?そうなんですか?行ったことありますか?

ーー1回だけあります。海の色が凄くきれいですよね。観光したというよりは、友達の家に泊まってバーベキューしたり、ダラダラしていただけなんですけど(笑)、人が優しくて、本当に楽しかったです。ただ日本から行くとかなり不便で、シンガポールで乗り継いだ記憶があります。

パース:わー、すごい!行ったことがあるんですね。日本からパースに行くのはめちゃ不便です。オーストラリアに住んでいる場合でも、メルボルンやシドニーから結構時間がかかりますよ。日本からパースまで直行便があるんですけど、8月から2月までしかないんです。

ーー今もオーストラリアには時々帰っているんですか?

パース:前回パースに帰ったのは2022年のクリスマス。でも今年はお仕事で、初めてメルボルンに行ってきました(笑)。東京から直行便で11時間くらい。

ーーどんなお仕事だったんですか?

パース:ASEAN・オーストラリア友好協力のイベントで、ASEANで注目されている人が招待されたんですけど、僕が運よく選ばれまして。

ーー凄いじゃないですか!でもタイといえばASEANだし、パースさんはオーストラリア出身ということで、パースさんにふさわしい役目ですよね。なんだかグローバルにご活躍されてますねえ!

パース:そうなってきてますね(照笑)。

 

9年半で2か国語を完ぺきにマスター

ーー生まれてから今までの過程やご家族のバックグラウンドに「日本」が入っていないんですけど、なぜこんなに日本語がうまいんですか(笑)!?本当に衝撃的です!

パース:えーっと(笑)…。僕は昔から、日本のアニメやマンガが大好き。勉強を始めたきっかけはマンガを日本語で読めるようになりたかったっていうことなんですよ(笑)。
オーストラリアでは普通に日本のアニメが放送されてるんですよ。その影響でマンガにも興味を持つようになりました。
5歳ごろから『セーラームーン』『ドラゴンボール』、その後も『NARUTO』『ONE PIECE』『遊戯王』をずっと見ていました。ただ、オーストラリアでオンエアされていたのは、当時は全部英語の声優の吹き替えです。そうしないとオーストラリア人は内容を理解できないから(笑)。
でも最近、僕のオーストラリア人の友達が「日本語で、英語の字幕付きのアニメを見ているよー」と言っていました。そっちのほうが「ホンモノっぽい」から(笑)。

ーーでもいくらアニメが好きとはいえ、20年間は英語だけで生活していたんでしょう?

パース:そうです。タイ語も全く話せませんでした(笑)。

ーー9年半でタイ語と日本語を一から勉強し始めて、完ぺきにマスターしたってことですよね。

パース:いやー、でも約10年間ですからね。かなり長いですよ。逆に9年半も勉強してタイ語も日本語も話せないと、ちょっとヤバいかも(笑)。

ーーなんだか自分が恥ずかしくなってきました。

パース:あははは。

ーーとはいえ、タイで俳優としてのお仕事もしているから、勉強している時間はもっと短いですよね?

パース:タイの大学はインターナショナルユニバーシティーだったので、英語で日本語の授業を受けました。でも友達との会話はタイ語。友達のおかげでタイ語は上達しました。いつもLINEをしていたので、タイ語をスマホで打つのがめちゃくちゃ上手になりました(笑)。

 

タイ語ゼロからタイでドラマ出演を果たすまで

ーータイでも俳優をしていたパースさんですが、オーストラリアからタイに移ってすぐに俳優業を始めたのですか?

パース:タイに移ったらすぐ、俳優になろうとしていたんですけど、タイ語が話せないとシナリオが読めないから(笑)タイ語の勉強を始めました。
タイに着いてすぐ始めたのはCMのオーディションですね。モデルの仕事から始めました。
初めて俳優の仕事をしたのはタイに来て5年目くらい…。でも演じた役がハーフで、しかもそれほどしゃべらない役だったし、僕にぴったりでした。

ーーいつ頃から自信を持ってタイ語のセリフがある役を演じることができるようになったんですか?

パース:正直に言いますと(笑)、現場でやっとタイ語に自信が付きました。タイで出演しているドラマの宣伝のために、取材を受けるじゃないですか。そういう時って、だいたいどのメディアも同じことを聞くでしょう。その答えに慣れてきて、自信がついていきました。

ーーああっ!じゃあこの取材でも日本語の自信をさらにつけている感じですね?

パース:そうですね(笑)。

ーーじゃあ、滅多に聞かれない、凄く変な質問を選ぼう!

パース:ああっ!だめです、そんな(笑)。安定した質問の方が、ある意味で楽です。とは言え、あんまり聞かれない質問を聞かれると、テンションが上がります(笑)。久しぶりに使う言葉が出てくると、それも勉強になります。

 

タイも日本もシナリオは現地語の方が楽

ーータイのドラマのシナリオはタイ語だったんですか?

パース:そうですね。

ーーちなみに日本のお仕事のシナリオも、日本語で読んでいるということですかね?

パース:日本語の場合、日本語で書いてなかったら、意味がわからないですからね。逆に日本語の方がわかりやすいです。アルファベット表記だと発音も変になっちゃうし。
そうは言っても、今朝も日本語の勉強をしていて初めて発見したこともあります。ただ、実はこれ、日本人は勉強しない事らしいんですけど…。

ーーえっ?何だろう?

パース:日本語のアクセントは4つあって、頭高、中高、尾高、平板。

ーー知りません(涙)。

パース:日本人は自然にできているので、特に勉強しないと思います。
例えば僕はずっと「腕が痛い」「口が痛い」「首が痛い」を頭高ではなしていました。

ーータイ語って、発音がとにかく難しくて、発音を間違えると、意味も変わってしまいますよね。だから余計敏感になるんですかね?

パース:タイ語はタイ文字に発音が書かれているんです。だからそのルールを勉強しないとわからない。それを覚えてしまえば、タイ語は台本を読めば、そのままきれいに発音できるんですよ。
日本語は文字に発音のルールが書かれていないので、言葉のひとつ一つを覚えないといけないんです。日本人に聞かないとわからない。
日本語はヤバいですよ。めっちゃ、ヤバいです(笑)!

ーー日本で出演していたドラマを見た感じだと、普通に発音していましたけどね。

パース:それはまだセリフが少ないからです!それでもめっちゃ練習しました(笑)!

 

日本の大手プロダクションになぜ所属?拠点を移した理由とは?

ーー他のタイの俳優さんはタイに拠点を置いて、海外にファンミーティングに出かけるスタイルを取っている中で、なぜパースさんは日本に住んで、日本の仕事に挑戦することにしたのでしょう?

パース:芸能活動するかしないに関係なく、日本が大好きだったので、いつか日本に住みたくて、働いてみたいと思っていました。そしたらホリプロさんが声をかけてくれたので、ラッキーでした。そのまま芸能活動を続けて、日本で仕事ができた方が良いじゃないですか(笑)。

ーーラッキーっていうか、凄いことですよ。ホリプロさんというと日本人だったら誰もが知っているんじゃないかっていうくらいの、大手芸能プロダクションなんですけど、どんなきっかけだったんですか?

パース:インスタのDMです(笑)。担当の方に声をかけていただきました。

ーーえっ?そうなんですか?そんなことがあるんですか?

パース:担当者さんは、タイのBLドラマにはそこまで興味を持ってなかったみたいなんですが、周りの友達が、タイBL俳優のファンだったみたいで、そのお友達におすすめの俳優さんを聞いたら「パース」って教えてくれたらしくて、僕に連絡が来ました(笑)。

一同:(どよめき)

ーーそれは凄い!タイBLドラマのファンの方の推薦で、パースさんの夢が叶ってしまうという、それこそドラマみたいな世界ですね。パースさんはDMを読んで、すぐ日本行きを決めたんですか?

パース:いや「日本の芸能活動に興味がありますか?」っていうDMだったので「興味あります!ぜひお話聞きたいです」という感じでお返事しました(笑)。まだタイでの仕事が残っていた時期もあったので、1年くらいDMとZOOMでのミーティングをして、決めたと思います。

ーーおー!本当に今ここにいることは運命ですね。

パース:そう思います(笑)。

 

タイの俳優が海外で知名度を上げるためにはBLドラマが近道

ーーパースさんは日本に来るギリギリまでタイで仕事をしていましたよね?

パース:出演していたドラマのアジアツアーがあったんですよね。

ーーええ?アジアツアー?人気のドラマだったんですね。

パース:『KinnPorsche』っていうドラマなんですけど、マフィアが舞台の…BL。

ーータイのBLドラマの舞台設定って、凄くバラエティに富んでいますね。

パース:設定がユニークになってきたのは、ここ2,3年なんですよ。それまでは高校や大学が舞台のドラマばかりでした。
タイはBLドラマに出演すると、海外でも注目されるので、スカウトのきっかけがBLドラマだったり、そうじゃなくても、出演を希望する俳優が増えましたね。

ーーそうなんですか?世界的に有名なタイ人の俳優さんだと『マッハ!』のトニー・ジャーさんが『Monster Hunter』に出演したり、他にもハリウッド映画に出演してますよね。ファンなんです(笑)。

パース:ああ!トニー・ジャーさんは、もともと国際的なスタントマンだったんですよ。それで主演映画もスタントなしで挑戦して有名になったんです。
でも、僕らみたいにタイだけで活動している俳優は、BLドラマに出演しないと、なかなかタイ以外では知ってもらえない。

ーー日本はタイほどBLドラマ制作が多くないので、日本での舞台やドラマは他のジャンルになりますよね。それについてはどう思いますか?

パース:実は僕がタイで出演したドラマは全部BLドラマだったんですよねぇ。

ーーえっ?全部?

パース:はい。でも僕の場合、一番最初に出演した『My Engneer』というドラマ以外は、
メインキャストに入っていても、ドラマの中で恋愛に関係する役ではないんですよね。
主人公が歌っているバーのマスターとか、『KinnPorsche』の時は、マフィアのボディガード役でした。
それでも、僕も「BL俳優」と呼ばれています。そう呼ばれることに対しては何とも思わないのですが、もちろんBLドラマだけに出演したいわけではないし、どんなドラマにも出演できる俳優として活動できたらラッキーだと思います。

ーーそれだけ注目されている業界なんですね。そのことでファンの皆さんの目に留まって、ホリプロさんからお声がけいただいたわけだから、やはりタイのエンターテイメントの大きな波なんですね。

 

2年連続タイフェスティバルのMCを担当

ーー去年のタイフェスティバル東京2023から2年連続でタイフェスのMCを務めていますね。

パース:去年は初めてだったので緊張しかなかったです(笑)。しかも日本語で司会をするなんて、やったことなかったし。
タイフェイスのMCはもうひとりのパートナーの方とやっているんですけど、去年も今年もその2人がプロのMCだったので、どっちかというと僕はサポートに徹しました。
VIPの方も来場しているし、フォーマルなことを日本語で言わなければいけないシーンもあって、そこはお任せ。僕は英語を担当しました。

ーー今年は2023年より、かなり多く話していたのが印象的でした。

パース:自信がついたっていうのと、日本語力が去年より上がったからかな(笑)?アーティストさんが出演する時、スタンバイに時間がかかっていたんですよ。
スタッフさんたちには「出ても、出なくても良いよ」って言われたんですけど、お客さんとコミュニケーションが取りたくて「じゃあ行きまーす」って感じで舞台でしゃべらせてもらったんです。
ステージとお客さんの距離が近くて楽しかったんですよ。

ーータイ人のパースさんから見て2024年のゲストで一番豪華だなと思った出演者は誰でしたか?

パース:2024年は超有名な人ばかりで、2023年の出演者を超えたと思います。今年はマジでやばかった(笑)。
一番の大物はThe ToysBOWKYLION。出演してくれるなんて、本当にびっくりしました。それから、TeyNewOffGunも凄いと思います。

ーーもし来年、タイフェスティバルに出演したら「ヤバいことになる!」と思うアーティストは誰ですか?

パース:僕も『Kinn Porsche』で共演していたジェフ・サトゥールが来たら、凄いことになると思いますね。ファンがいっぱいで、代々木公園に入れないかも(笑)。
それから今年、THE KINGDOMS CONCERTに出演していたノン・タノンが出演したら、こちらも大変なことになると思います(笑)。ノン・タノンは歌もうまいし、人柄がめちゃくちゃ良い方なんですよ。

ーー人柄の良さならパースさんも、負けていないでしょう。ファンの方のリクエストにバンバン答えていて衝撃を受けました。なんてフレンドリーな方なんだと(笑)。

パース:そうですか(笑)?
あ、でもそう言えば、今年「どんなタイプが好き~?」っていう質問をされたんですよ。僕はポケモンのタイプに例えて「草タイプです」って答えたんですよね。自分に譲れないタイプがあったとしても、答えないようにしています。
好きなタイプって、例えば背が高い人、低い人って答えたら、どちらかの人がしょんぼりしてしまう場合もあるでしょう?

ーーさすが!タレントの鏡ですね

パース:僕は誰も傷付けたくないんですよ。まあ、いい人、っていう意味ではなく、自分を守っているだけなんですけどね(笑)。

 

もしかして前世は日本人?念願の日本ライフを満喫中

ーー自分を守る、っていう話もそうなんですけど、日本語ができるできないの前に性格が日本人っぽいって言われたことはないですか?

パース:それは凄くよく言われるんですよ(笑)。タイの俳優の友達も日本行きが決まった時、「パースは日本が向いているよ」って言ってくれました。

ーーやっぱり…。インタビューを始めて、会話の間とか、空気の読み方とか、雰囲気とか、仕草とか、日本人と話しているみたいなんですよ(笑)。顔は日本人とは違うんですけど…。

パース:僕も日本に来て全く違和感を感じない(笑)…ただ、慣れなければいけないことはありますけどね。

ーー念願の日本ライフはいかがですか?

パース:メッチャ楽しいし、サイコー!

ーーご両親は日本に行くことは、心配していませんでした?

パース:お母さんに「日本に行きまーす!日本の仕事しまーす!」って話した時は、「えっ?タイでの仕事はどうするの?」って心配していました。
タイでの仕事が全部無駄になると思っていたみたい。だから「タイで俳優の仕事をしなかったら、日本の仕事は決まらなかった」って言う話をしました。
お母さんも時間が経過したら少し落ち着いてきて、応援してくれるようになりました。

ーーそのうち、日本に遊びに来てくれるかもしれませんね。日本では一人暮らしされているんですか?

パース:はい。タイでも2年間くらいかな?一人暮らしをしてたんです。
日本の一人暮らしで不安なことは、ゴミの分別。タイでは結構適当に分けても怒られないけど、日本で適当に分けると、怒られるでしょう?

ーー怒られます。

パース:…(笑)。怒られるのが怖くて、捨てられていない物がたくさんあります。例えばボトル。プラスチックなのか、グラスなのかとか、化粧品のボトルも捨て方がよくわからないから、ちょっと放置しています(笑)。

ーー日本の場合、住んでいる市区町村や、都道府県でも分別方法が違うから、日本人でも大変ですよ。同じ長期滞在のタイ人の皆さんも、慣れるまでは大変でしょうね。

パース:そうかもしれない(爆笑)。エコなことは良いと思うんです。本当に素晴らしいことなんですけど…本当に難しい。

ーー私もタイに行くとゴミひとつとっても自由になれた気がします。

パース:タイは自由で良い場合と、自由でダメすぎる場合があります(笑)。ゴミの分別はそこまで厳しくないけど、待ち合わせの時は僕を含め遅れますよ。遅れるのが当たり前!

ーーでも日本では遅れたらダメです(笑)。

パース:いや、ほんっとにそう(爆笑)!
実は日本で何度か遅れたことがあって、ただ外国人だから、日本人はみんなが優しくしてくれます。…というか言い訳を探してくれる(爆笑)。
「ああ、なるほど、お仕事忙しいからねー」とか「まだ日本に慣れていないから疲れているよねー」とか。
ぜんっぜん違います(爆笑)!スケジュールを読み間違って時間を間違えただけです…。電車の乗り換えも間違えまして…。

ーー電車の乗り換えは、日本は難しいですよねー。

 

料理ができるダンナになりたい!

ーー食事は外食が多いですか?それとも自炊してますか?

パース:最近結構自炊してます。

ーーえっ?凄い?

パース:意外と自炊していますよ~。僕は最近脂肪を落とそうとしているんだけど、自炊した方が、わかりやすい。カロリー計算、脂肪がどれくらいか、プロテインはどれくらい含まれているのか…。
和食はほぼ美味しいから、未だに何が健康的で何が健康的ではないか、まだあまりわかっていないから、今はできるだけシンプルなものを作ろうとしています。

ーー得意料理は何ですか?

パース:この前初めてローストビーフを作りました。

ーー本格的〜!

パース:いや、めっちゃ簡単でした。こんなに簡単だなんて、知らなかったです!10分でできましたよ。お肉を4面焼いて、アルミフォイルに包んで、そのまま置いて、それで終わり。

ーー私もやろう(笑)。

パース:ははは(爆笑)…おすすめです。最近スクランブルエッグもゴードン・ラムゼイっていう世界的に有名なシェフの作り方をYouTubeを見ながら真似してみたら、めっちゃうまい!僕は料理ができる旦那になりたいから、自炊しますよ。

 

タイの俳優が語る、タイと日本の芸能界の違い

ーーパースさんは、タイの芸能界と日本の芸能界、両方で活動している訳なんですけど、どんな所が違うと思いますか?

パース:ファンとの距離感が全く違います。タイの方がファンとの距離が近いです。これはBLドラマの俳優だけではありません。どのジャンルのアーティストも、ファンとの距離が近いんですよ。
SNSでファンのコメントに対して答えることは珍しくないし、Instagramでライブ配信する時も、コメントを読むけど、日本の芸能界ではそう言うやり取りはしないですね。

ーー日本は割と事務所でタレントさんを守っているので、万が一間違った発言をして炎上しないように、管理されていると思いますよ。それでも炎上しちゃうこと多いけど(笑)。

パース:そうですよね。タイの場合、芸能人はファンの力に頼ります。例えば僕の場合でも、出演しているドラマが放送している時に、ファンの方がX(旧Twitter)のトレンドに上がるように、みんなで協力してくれたんですよ。
でも日本は、良いドラマや映画に出て、良い演技をしたら、自然に人気が出る感じ。

 

タイのBL俳優は歌が下手で炎上しても歌わなければならない

パース:もう一つ、これは結構、面白い所だと思っているんだけど、俳優は本当は演技をすることが仕事でしょう?でも、タイの芸能界はさあ、特にBL俳優はライブをしなきゃいけないので、歌わないといけないし、ダンスもしなきゃいけないんですよ。

ーータイフェスに出た俳優の方々もみんな歌っていましたね。

パース:そう。歌が上手い人は良いけれど、下手な人でも歌わなきゃいけない。例え炎上しても(笑)歌い続けます。

一同:(爆笑)

ーーパースさんは歌っているんですか?

パース:うーん。少しだけ…少しだけ歌いました(笑)。

ーーあれ?あんまり歌に自信がないんですか?

パース:歌よりは演技の方が自信があります。演技の方が上手いと思います(笑)。
ただ、タイの場合「歌えない」と言ったら、下手とか上手いの問題ではなくて、全く歌えないという意味に取られちゃうと言うか(笑)。ファンミーティングが多いから、舞台でずっとしゃべっているだけだとつまらないし、歌わないといけないんですよ。

ーータイのBL俳優さんのファンミーティングはびっくりするくらい多いですね。

パース:僕はタイで初めてファンミーティングをした時にピアノの弾き語りをやっちゃった…。

ーーやっちゃったって…(笑)。

 

元アナウンサーって肩書き必要?タイではアナウンサーはそこまで凄くない

ーーパースさんの日本出演作だと、私は『スパイめし』がめちゃくちゃ面白かったです。

パース:ええっ!?見てくれましたか?凄い!あれ、ちょ~面白いですよね!

ーーはい。私は登坂淳一さんの出演作をチェックしてて『スパイめし』を見ていたら、タイフェスで司会をしていたパースさんが出てきたので「おおおお!タイの俳優さんが日本でも活躍している!」って思って嬉しかったです。

パース:登坂淳一さんのファンなんですか!?登坂さん、ホリプロに所属してるって知っていました?

ーーえっ?そうなんですか?パースさんの先輩ですか?

パース:そうなんですよ(笑)。あれ?もしかして登坂さんのこと、NHKのアナウンサーの時からのファンですか?

ーーあ、そうです(笑)。

パース:えー、そうなんだ!実はこれもタイの芸能界との大きな違いなんですよ。日本はさ、テレビに出演するだけで、ファンが付きますよね。

ーーまあ、その人が面白かったり、印象に残ると、ファンミーティングしなくても、ファンになっちゃいますね。ただ、人にもよりますけど、多くの場合はファンクラブに入ったり、直接会いに行くほどでもなく、テレビに出演すれば見る、程度の軽い意味での「ファン」っていう言い方にはなりますかね(笑)。

パース:タイではアナウンサーのファンができることはないんですよ

ーーええ?そうなんですか?バンコクのデモの取材をした榎並大二郎アナウンサーがタイで大人気になったような…。

パース:えええ?あの人アナウンサーだったんですか?

ーーそうですよ。榎並さんはアナウンサーです!ファンミーティングとか、やってないです(爆笑)!

パース:面白い!日本はさ、アナウンサーの方が、タレントになったら元フジテレビアナウンサー、とか元NHKアナウンサーっていう肩書きがつくじゃない?タイ人のタレントや俳優からすると「なに?」って思っちゃうんですよね(笑)。
今現在テレビに出演してるんだから、元アナウンサーって、そういう肩書きいる?って思っちゃう(笑)。日本人にとっては、アナウンサーは憧れの職業なんでしょうね?

ーー今現在テレビに出演していても「元アナウンサー」って付いた方が、なぜその人が今この番組に出演しているのか納得することが多いんですよ。日本はタレントや芸人が多くて、肩書き、みたいなものがあった方が良いのかもしれないですね(笑)。「元アナウンサー」だと知的なイメージがあるんです。

パース:アナウンサーの捉え方が、日本とタイは違いますね。

ーーそんな元NHKアナウンサーの(笑)登坂淳一さん主演のドラマに、パースさんが登場するとは夢にも思っておらず…。

パース:いやほんと、凄い共演でした。

ーーCIAの役でしたよね。

パース:そう、CIAです。メッチャ、バカなCIAでしたよね(笑)。スパイという名のご飯ばかり食べている話ですね。

 

ロマンス系の作品に出たい!

ーーパースさんは今後どんな役にチャレンジしたいですか?

パース:僕、恋をしている役があまりに少ないんですよ。失恋する役でもいいので、恋する役をやってみたいですね。僕はプライベートで読んでいるマンガや見ているドラマも、ロマンス系の物が好きなんです。

ーー先ほどおっしゃっていましたけど、「ボーイズラブ」のドラマに出ているはずなのに、あまり「ラブ」に関係ない役が多いという(笑)…。

パース:本当にそうですね(笑)!一番最初に出たドラマやショートフィルム以外は、恋愛に関係ないです。もちろん、去年と今年出演するミュージカル『新テニスの王子様』なんて、全く恋愛関係なくテニスがメインです。みんな男子、そしてみんなガチガチに大人なんですけど全員中学生役(笑)。

ーーとはいえ、日本のアニメやコミックが好きだったパースさんとしては、ミュージカル『新テニスの王子様』の出演が決まった時には本当にうれしかったんじゃないですか?

パース:超〜うれしかったです。
『新テニスの王子様』は『テニスの王子様』が終わってからの話で、もう10年続いている作品なんですよ。僕はドイツ代表の選手の役をやっています。まあ、そうじゃなかったら僕ができる役はなかったかもしれないんですけど(笑)。
2024年はこの前公演決定の発表がされたばかりで、The Fourth Stageです。2024年8月9日から2024年9月23日までで、もうすぐお稽古が始まります。

ーータイ好きの我々としては、タイ人のパースさんに、田舎のおじいちゃん、おばあちゃんまで知っている人になってほしいです(笑)。

パース:いつかそうなりたい!

ーー海外の俳優さんが出演するラブロマンスと言えば、最近、韓国人男性と日本人女性のラブロマンスのドラマがありました。

パース:あー、見ました見ました!二階堂ふみさん主演のドラマですよね!ああいう役だったら、どんな国の人でも主演になれますよね。お願いします!

ーーあ、あの、私が決める問題では…(爆笑)。

一同:(爆笑)

 

ファンミーティングの名前がクセ強い…

ーー日本でもファンミーティングをやったんですよね。

パース:今年の2月にやって、次は7月です。2月のファンミーティングはめちゃくちゃ楽しかったですよ。あっという間の時間でした。

ーータイのファンミに引き続き、もちろん、日本でも歌ったんですか?

パース:それは言わなくてもいいんですけど…歌いました(笑)!
言い訳になりますけど喉の調子が悪かったんです。もうちょっと練習したかったんですけど一応歌いました!『新テニスの王子様』で共演した俳優さんをゲストに呼んだりして、イベントっぽくしましたよ。

ーー言える範囲でいいんですけど、7月のファンミはどんなことをやるんですか?

パース:全然言えますよ(笑)。ちょっと高級なイベントなんですけど、フルコースを食べながらファンミーティングに参加していただきます。

ーーわあ、ディナーショーみたい!

パース:えーっと、ランチです(笑)。
ファンサービスもするし、歌も頑張って歌います。30歳になることについて、色々話をさせていただくと思います。
これを読んでいる方は、SNSでファンミーティングの情報を見て、ぜひ参加してくださいね。
ちなみに今回のファンミーティングのタイトルは面白いですよ。「パースのあらら!アラサーランド」

ーーあらら!アラサーランド(爆笑)?

パース:ちなみに前回は「パースのパパパパースランド」

ーーカミカミじゃないですか

パース:(爆笑)そうなんですよ。カミカミなんです。
まあ、これから色々なランドを作っていこうかなーって思ってます(笑)。

 

日本の皆さんへ

ーータイのドラマ好きの皆さんには、知られているパースさんですが、まだタイが好きでもパースさんを知らない人もいます。最後にメッセージをお願いします。

パース:日本での芸能活動、頑張っていきます!少しでも僕のことを知ってくれて、気に入ってくれたら嬉しいです。
7月6日は僕の誕生日なんですが、7月7日七夕の日に、ファンミーティング「パースのあらら!アラサーランド」をやるので、興味がある方はぜひ来てください。一緒に楽しい時間を過ごしましょう。
『新テニスの王子様』The Fourth Stageもよろしくお願いいたします。

 

取材を終えて

パースさんの話術が面白過ぎて、「チーム・タイランドハイパーリンクス」は、腹筋崩壊を起こすほど爆笑させられ続けました。インタビューを終える頃には、笑いすぎてへとへとになるほど。
彼が身をもって体験したタイの芸能界と日本の芸能界の違いや、タイのBL俳優さんが置かれている状況を、ユーモアを交えつつ、わかりやすく話してくれたパースさん。日本語でここまでリアルに正直に話してくれるタイの俳優さんはとても稀少な上に、大変貴重なお話しなので、なるべくノーカットで、そして彼の言葉そのままに掲載させていただきました!
長々とお付き合いいただき、ありがとうございます。
明るく、優しく、日本人並みに気を使える上に、タイの芸能界同様とてもファンとの距離の近さを大切にして、ファンを思いやるパースさん。
新天地・日本ではさらに多くの方々に愛され、応援してもらえることでしょう。今後の活躍が本当に楽しみですね。

取材・文:吉田彩緒莉(Saori Yoshida/Interview・text)
撮影:沢多泰季

ーー

パース・ナクン(Perth Nakhun)
1994年7月6日オーストラリア生まれ。2014年より、タイでの芸能活動を開始。
https://www.instagram.com/perth_ss/
https://www.youtube.com/c/PerthNakhun
https://twitter.com/PerthNakhun
https://www.tiktok.com/@pikaperth

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