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数々のアイドルグループの楽曲を手掛けて、目下躍進中の振付師であるいどみんさん。いどみんさんは、2022年半ばより度々タイを訪れるようになり、今やタイのアイドルオタクの間でもおなじみの存在です。そんないどみんさんが2023年の誕生日をバンコクで祝うべく「いどみん生誕ツアー2023 」の一環としてバンコクでの公演を実現させました。
4月22日(土)にバンコクのドンキモール・トンローで開催された生誕祭には、いどみんさんが日本からFES☆TIVE、クマリデパート、I MY ME MINEといった教え子たちを招聘。さらにタイの教え子であるSumomoと、いどみんさんとは度々顔を合わせているEuphonie☆も参加し、500人もの人々が会場に集まる盛大なお祭りとなりました。
タイランドハイパーリンクスは、生誕祭を終えたいどみんさんにインタビューを実施。タイのことをはじめ、たくさんの興味深いお話をお聞きしました。
いどみん
https://twitter.com/idm_dd
https://www.tiktok.com/@idm_dd
ーータイは今回が何回目ですか?
いどみん:5回目なんです! 毎回1週間から10日くらい来てるから、トータルで40日くらいですね。
ーーそもそもタイにハマったきっかけは何だったんですか?
いどみん:もともと BLドラマ『2gether』やタイのホラー映画『女神の継承』『心霊写真』が好きで。ある日、FES☆TIVEのプロデューサーさんから「『微笑ノ国』っていうタイをテーマにした新曲の振付をお願いしたいのですけど、タイに関心はありますか?」って突然聞かれて、「すごく偏りがあるけど好きです」って答えたんです(笑)。
ーーそれが2022年のことですね。
いどみん:そうですね。実際行ったことはなかったので、知らない食べ物や言葉がたくさん歌詞に出てくるんです。そこから1週間昼夜タイ料理を食べ続けて、体や脳をタイにして・・・。だからタイは勉強してるうちに好きになった(笑)。それから振り入れして、お披露目して、ミュージックビデオを撮影して。そのMVがお陰様でタイで人気になったわけです。
ーータイでバズりましたね。
いどみん:FES☆TIVEがワンマンライブでタイ遠征に行くことになったときに、「振付をした先生も一緒
に行けますか?」って声をかけていただいて、実際にタイに来たらまんまと(笑)。
ーーそれが2022年6月のことでしたか。
いどみん:それでハマって、2回目のタイで『2gether』のロケ地巡り(笑)。同じカフェに行ったり、テレビ局に行ったり。
ーー聖地巡礼!
いどみん:ブライトが好きで。
ーーウィンよりもブライトですか。
いどみん:ブライト派。
ーーきれいな顔をしてますもんね!
ーーところで、そもそも振付師になったきっかけは何だったんですか?
いどみん:もともとアイドルの振りコピをする方のオタクで、モーニング娘。とかAKB48とかライブアイドルとか好きでした。その時は名古屋に住んでたので、名古屋のローカルアイドルとかを見に行ってたんです。
ーーもともとはオタクなんですね。
いどみん:振りコピをする中で、ダンスのレッスンに通ったら上手になるんじゃないかと思って、通い始めたのがきっかけ。そこで知り合った仲間と「踊ってみた」をして楽しんでいました。あるとき名古屋のアイドル運営から「振付って出来ますか?」って言われて、したことないのに「出来ます」ってハッタリをぶっこいたら、いつの間にかお仕事をいただけるようになって・・・。キャリアにするつもりはなかったけど、だんだんステップアップしてきちゃった(笑)。
ーーダンサーとかじゃなかったんですか。
いどみん:じゃないんです。なりたくてなったわけでもないし(笑)。だからいい意味で無責任にできるというか・・・。
ーー自由に出来たんですね。
いどみん:もともとがオタクだからその目線も持っているし、「踊ってみた」でステージでパフォーマンスをした経験もあったので演者側の気持ちも少しはわかるし、表現をすることも学んできた。だからいいのかな?って思ったり。色んな方面の目線を持ってるのが自分の強みかな?
ーー振付だけでなく、曲から作ったりっていうのはないんですか?
いどみん:「こんな曲が欲しい」ってイメージを伝えることはあります。たまに言ったりしますね(笑)。
ーーどんな思いで振付をしてるんでしょう?
いどみん:歌詞の世界とかメロディーって形に見えないじゃないですか。形の無いものを形にするのがアイドルとか表現者で、その間を取り持つのが振付師とか衣装さんとか照明さんとかなのかなって思ってます。FES☆TIVE、クマリデパート、I MY ME MINE、Sumomoっていうアイドルを通して表現するのが仕事なのかなって思います。『微笑ノ国』だったら、どうしたらタイ感がでるかとか。
ーー『微笑ノ国』の振付には、たくさんのタイが入っているとおっしゃってましたね。
いどみん:全身でタイの国の形を作っちゃえとか、「美味しかった」という歌詞だったら甘くて酸っぱくて塩っぱくて辛いだから1人づつその顔をして欲しいとか。八木ひなた(FES☆TIVE ピンク色担当)にピンクのガネーシャ役をやらせたり。そうやって、目に見える形にするっていうのは、すごく意識してます。
ーーそうなんですね。
いどみん:例えば同じ曲がきたとしても、クマリデパートとFES☆TIVEは表現の方法が違ったりして、彼女たちにはどういう表現がいいかとか、すごく考えてやっています。
ーーなぜタイで生誕祭をすることになったんですか?
いどみん:毎年、東京で教え子たちを集めて生誕祭をやってたんですけど、今年は札幌のグループとタイのグループ(Sumomo)の振付をすることが多かったので、3拠点でやっちゃおうかなって(笑)。そうすれば1年の総まとめになって、次もまた頑張ろうってなるかなと思って。誕生日は「振り返る+未来」じゃないですか。
ーー確かにそうですね。
いどみん:振付師みたいな裏方ってTwitterでしか「ありがとうございます」って言えないから、直接ファンの人の目を見て「ありがとうございます」が言えるのは生誕祭ぐらいかと思って3拠点でやることにしたんです。それで秋くらいにネットさん(バンコクで生誕祭を主催したネットさん(ライブを主催したSiamdolの代表)に相談したら「やれば?楽しいよ!」みたいな(笑)。
ーーいどみんさんは、去年から「バンコクで生誕祭をやりたい」と言っていましたけど、まさか本当にやるとは思ってませんでした(笑)。
いどみん:スクンビット通りソイ26にある「サボイレストラン」の新宮さんにも、昨年食事に行った時に相談したら、「面白そう」って言ってくださって、そこでの食事会も実現しました。
ーー「サボイ」は、いどみんさん行きつけのタイ料理レストランですよね。
いどみん:そうです。美味しくて大好き。みんなに美味しいタイ料理を食べて欲しくて。
ーー美味しいタイ料理を食べてもらいたいという気持ち、とてもわかります!
いどみん:タイで生誕祭をすることで「日本にはこんなに素敵なアイドルがいるんだよ」「タイにもかわいいアイドルがいるよ」っていうのをタイの方に知ってもらえるきっかけにもなったらなと思っ
て、実績のあるSiamdolさんにサポートしてもらいました。
ーーSiamdolは、度々日本のアイドルをタイに招聘していますからね。実際に生誕祭の開催が決まったと聞いてどう感じたんですか?
いどみん:「ですよね〜」って(笑)。
ーーははは(笑)。
いどみん:「やっぱり出来るよね〜」って思っちゃった(笑)。
ーーははは(笑)。タイのオタクたちの間でも、いどみんさんが浸透してきてますもんね。
いどみん:Sumomoもライブ活動やメディアでも頑張っているし。他にもEuphonie☆とか、なくなっちゃったけどSiam☆Dreamの子たちも、振付はしたことないけど楽屋で話しかけてくれたりとか、「先生が日本のアイドルに振付した曲をTikTokで踊ってます」って言ってくれたりとかも。
ーーもう仲良しなんですね。
いどみん:タイ語も教えてくれます。タイのファンの人達も「おかえり」って言ってくれるんですよ(笑)。「先生、今回もいるんだ」みたいな。いつもいる人、珍しくない人みたいな扱いになってます(笑)。
ーーははは(笑)。
ーー日本からはいどみんさんの教え子のFES☆TIVE、クマリデパート、I MY ME MINEがタイに来ました。
いどみん:I MY ME MINEは、全曲振付をしてるんです。
いどみん:クマリデパートは、3月に日本武道館公演を終えて羽を伸ばして欲しいっていうのもあって選びました。
ーーFES☆TIVEありきバンコクでの生誕祭でしたか?
いどみん:そう!FES☆TIVEありきです。海外、タイはFES☆TIVE!
ーータイではFES☆TIVEは安定の人気で、間違いないですからね!生誕祭を終えていかがでした?
いどみん:暑かった!初めてタイに来たのが去年の6月で、サメット島に行った時はカラッとした暑さだったんです。今回は暑かった~!4月ってすごいって思い知った!ローンマーク(とても暑い)どころじゃない(笑)。タイについた瞬間38°Cで、「めっちゃ暑いんだけど~」ってインスタライブしました。「どんな暑さ?」って聞かれたので、「ジムの誰かのシャワーの直後みたいな暑さ」って答えました(笑)。
ーー今年は特に暑いですよ。バンコクも40度に迫る暑さですからね!
いどみん:先週までは7~8度の札幌でライブをしてたから、気温差30度です(笑)。
ーーそもそもSumomoに振付をするきっかけはなんだったんですか?
いどみん:あれ?あー、FES☆TIVEの『微笑ノ国』のMV撮影が沖縄であった時に、ネットさんもそこにいてお願いされたんだ!たぶん!
ーーSumomoはFES☆TIVEの姉妹グループで、Siamdolに所属してるんですよね。
いどみん:Sumomoのために新曲を2曲用意していただいていたので、6月のFES☆TIVEのワンマンライブの前に初めて1人でタイに前のりして、振り入れしました(笑)。
ーーそうだったんですか。
いどみん:トンロー辺りのホテルに泊まって、学校がある子もいるから夕方からレッスンで。昼間は自由なので街の散策をして、その後レッスン場までBTSで自力で行ってました。否が応でもバンコクの土地やタイ語の勉強をしなきゃって(笑)。タクシーで移動するときは「私が道案内するから」ってタクシーの運転手さんに指示してます。
ーーSumomoのメンバーとは、言葉とか、どうやってコミュニケーションを取ったんですか?
いどみん:ナムファーが日本語を話せて、プイちゃん(プイファー)が韓国語を話せて、自分も旅行程度の韓国語はギリギリできるから、3ヶ国語で成り立つんですよ(笑)。
ーー日本語、タイ語、韓国語を交えながらなんですね。
いどみん:トイレに行きたいときも、ホンナーム(タイ語でトイレ)を覚える前は、韓国語で「ファジャンシル、オディエヨー?(トイレはどこですか?)」と言うと、プイちゃんが「それはホン
ナームユーティーナイカーって言います」って教えてくれるんです(笑)。
ーー今もですか?
いどみん:今も(笑)。TIF(お台場で開催される世界最大のアイドルフェス)でSumomoが東京に来たときも、「先生!」って自分のところに来て「ヒウカーオです(お腹すいた)」って話しかけてきたの
で話を聞いてみるとお弁当がないって。
ーーえー!かわいそう!
いどみん:「まっすぐ行って左に行くとエレベーターがあるから4階に上がって、社食があるから現金で
買って。500円。テイクアウトと言って」って韓国語とタイ語で説明したら通じて、それで食事を食べることができていました。
ーーあー、良かった。そんなハプニングがあったんですね。
いどみん:クマリデパートがちょうど東京でライブしていたので、Sumomo全員を連れて行ったんですよ。そこでメンバーたちがネコちゃん(クマリデパートの楽曲『ネコちゃんになっちゃうよ~』)を気に入ってくれて。せっかくなので、と今日クマリデパートのステージでのSumomoとのコラボにつながったんです。
ーーあー、それでクマリデパートの時にSumomoがステージに上がって来たんですね!
いどみん:クマリデパートのライブのあとに渋谷109に行って、地下でアイスクリームを食べていたら、たまたまオフの八木ひなた(FES☆TIVE)に会って「え~!」みたいな(笑)。
ーーそんな偶然があるんですね。日タイの教え子同士がステージで共演しているのを見た時はどんな気分でしたか?
いどみん:楽しかった~!楽屋では「何話したらいんだろう?」ってよそよそしい感じだったけど、ステージで曲が流れちゃえば目配せで立ち位置やダンスを教え合ったりとか、「前どうぞ」とかなんとなくコミュニケーションが取れてるっていう。メンバー同士のコミュニケーションって、音楽とかダンスで繋がっているんだな、良いなって思いました。
ーーSumomoといえば、ナムファーの日本アイドル留学が決まりましたね。1ヶ月ほどI MY
ME MINEと行動を共にするそうで。
いどみん:あれはノリです(笑)。
ーーノリ!?
いどみん:前回タイに来た時に、「日本でアイドルやったらもっと日本語が上手になるんじゃない?」って言ったら、ナムファーが「行ってみたいです!」って。双方のプロデューサーさんのノリと協力のおかげです。
ーーつい先日ナムファーは日本に遊びに行っていましたよね。
いどみん:その時に「本当に留学する?」って聞いたら、ナムファーは「本当にやります!」って。
ーーいどみんさんを通じて、日タイアイドルの交流が深まりますね。
ーー今後タイでやってみたいこととかありますか?そういえばチェンマイに行きたいって言っていましたね。
いどみん:この前のJAPAN EXPOの時に前のりして行ったんです。旧正月の後だったので、立派なホテルもお手頃で。チェンマイのコーヒー、アカコーヒー・も美味しかった。
ーーアカ族が作ってるコーヒーですね。
いどみん:ホテルの人にタクシーをチャーターしてもらってドイプイ村に行って景色を見たり、Tシャツを買ったりしました。運転手さんに、美味しいカオソーイ(北タイ名物カレー麺)のお店に連れて行ってもらったのですが、運転手さんが「コーヒー飲んで待ってる」って言うから、「奢るから一緒に食べよう」って言って一緒に食べたり(笑)。カオソーイの食べ方も教わって・・・。タイ人のおじさんからの知識ってリアルじゃないですか(笑)。
ーー確かに!ガイドブックにはないリアルですね!
いどみん:チェンマイのカオソーイは4店舗で食べました(笑)。そのあと日本に帰って大久保で食べたら「本場と違う!」ってなって(苦笑)。大久保のカオソーイは、薬味の切り方が丁寧だった。
ーーははは(笑)。タイのはちょっと乱雑ですね(笑)。
ーーそういえば、南の方はまだ行っていないんでしたか?
いどみん:そう!「サボイ」がカオラックでホテルもやってるんで、新宮さんに「今度行きますね!」って伝えました!
ーータイ南部パンガー県カオラックにある「ラベラ・カオラック」とか「ラ・フローラ」とかが「サボイ」の系列なんですよね。よても良いホテルですよ!
いどみん:あと、今は今井翼さんがテレビ番組でやっているようにタイを縦断してみたい。以前は台湾一周バックパックみたいな、鉄道とローカルバスだけを使ってリュック1つで8日間旅をするっていうのをしたんですよ。タイもでやってみたいな。
ーー楽しそうですね。他にも行きたいところはあります?
いどみん:タイ東北地方が舞台の「女神の継承」っていうのホラー映画を見たから、行ってみたいんです。
ーー「女神の継承」、怖かったですね。
いどみん:土着信仰とか言い伝えとかが好きだから。町に伝わる風習とかお祭りとか地元の人だけで行われているようなものを見たり、その土地の人だけが食べているものを食べたいとかあります。
ーーさらにタイのディープな所に入っていきたんですね。
いどみん:タイ語もまだまだなので勉強を頑張ります。あとはGMMの俳優さんに会いたい!TikTokとかの振付をしたいなって(笑)。
ーーやっぱり、いどみんさんは振付!
いどみん:タイのグループにもっと振付したい、タイのフロアをさらに元気にしたいなっていう気持ちもあります。
ーーまた近く、タイのグループの振り入れにバンコクに戻って来られるそうで、またお待ちしています。ありがとうございました!
いどみん:ありがとうございました!
<インタビュー 児玉瑞歩(タマサート大学ジャーナリズム&マスコミュニケーション学部) 実務研修>
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