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東京芸術祭は、2022年で7年目を迎える、毎年秋に東京・豊島区池袋エリアを中心に開催している国際舞台芸術祭。10月28日(金)~10月30日(日)にはそのプログラムの1つとして、タイの歴史学者チャーンウィット・カセートシリ氏(元・タマサート大学学長)をタイより招聘し、レクチャーパフォーマンス公演『An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私』が開催されます。
『An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私』は、2020年にチェンマイにて上演されたもので、チャーンウィット氏の個人史を軸に、これまでのタイの歩みや、第二次世界大戦から現代までの日本とタイの関係を語っていく内容になっています。
『An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私』
開催日:10月28日(金)~10月30日(日)
場所:東京芸術劇場 シアターイースト
料金:一般 2,500円
詳細はこちらよりご覧いただけます
https://tokyo-festival.jp/2022/program/sake-cup
タイおよび東南アジアを代表する歴史学者であるチャーンウィット・カセートシリによるレクチャーパフォーマンス。1964年に当時の皇太⼦(のちに平成の明仁天皇)夫妻がタイを公式訪問した際にチャーンウィットが記念に賜った酒盃を起点とし、⾃⾝の個⼈史をたどりながら、⽇本軍のタイ駐留、ベトナム戦争、1970年代のタイの学⽣暴動など、世界的な社会の変容を辿っていく。モノや記憶にまつわる個⼈的かつミクロな視点から、タイと⽇本の歩みを重ね合わせ、両国の歴史を柔らかに解きほぐす。⽇本とタイ、2つの国を跨いで激動の半世紀を⾒つめてきた⼈⽣経験豊かな歴史学者による、これからも変化していく未来の時代へ向けた平和への祈りが作品の根底に流れている。
本プログラムは、2020年に国際交流基⾦アジアセンター主催 ”The Breathing of Maps” (「呼吸する地図たち」)の1プログラムとして製作され、MAIIAM Contemporary Art Museum(チェンマイ/タイ)にて1ステージのみ上演された。その後、2021年のコロナ禍におけるBIPAM(バンコク国際舞台芸術ミーティング)においてオンラインで限定配信(4⽇間)された⼤変貴重な作品を、初の海外公演として⽇本で上演する。
上演履歴
●2021年
Bangkok International Performing Arts Meeting (BIPAM2021) にてオンライン配信
https://www.bipam.org/bipam2021-showcases
⽇程:2021年9⽉2⽇より4⽇間配信
●2020年初演
”The Breathing of Maps” (「呼吸する地図たち」)のプログラムとして上演
https://www.jfbkk.or.th/en/the-breathing-of-maps/
⽇程:2020年1⽉25⽇ 19:00-
会場:MAIIAM Contemporary Art Museum(チェンマイ/タイ)
主催:国際交流基⾦アジアセンター
あらすじ
チャーンウィット・カセートシリは、幼い頃から物を収集するのが好きだったが、その始ま
りはある2つの物だった。ひとつはポケットナイフで、⽗が⽇本軍からもらったものである。
もう⼀つは酒盃で、⾃⾝がバンコク都庁の職員をしていた1964年に、バンコクを訪れた皇太⼦
明仁・皇太⼦妃美智⼦を歓待し、市内の案内などをした際に賜ったものである。2018年12⽉、
チャーンウィットはその酒盃と共に、平成最後の天皇誕⽣⽇⼀般参賀を訪れていたーーー。
プロフィール
●構成・出演: チャーンウィット・カセートシリ/ Charnvit Kasetsiri
タマサート⼤学歴史学部教授、歴史学者、タイ研究者として多くの功績を残す。1963年にタマサート⼤学で外交学の学⼠号を優等で取得した後、ロックフェラー奨学⾦を得て1967年にロサンゼルスのオクシデンタル⼤学で外交と世界情勢の修⼠号を、1972年にコーネル⼤学で東南アジア史の博⼠号を取得。論⽂「The Rise of Ayudhya and a History of Siam in 14th and 15thCenturies」は、1976年にOxford in Asiaから出版された。1973年から2001年までタマサート⼤学歴史学講師を務め、2000年に東南アジア研究
プログラムを創設、1995年から1996年にはタマサート⼤学学⻑を務める。近年は、戦争と平和、ASEAN諸国、特にタイとカンボジアの関係をテーマに研究を⾏う。Pavin Chachavalpongpun(京都)、Pou Sothirak(プノンペン)と共に「Preah Vihear; A Guide to the Thai-Cambodian Conflict and Its Solutions」(2013年)の共著者でもある。また共同執筆したタイの社会科の教科書は⽇本語にも翻訳されている(世界の教科書シリーズ6『タイの歴史:タイ⾼校社会科教科書』中央⼤学政策⽂化総合研究所=監修、柿崎千代=訳、明⽯書店、2002)。2012年に福岡アジア⽂化賞、2014年に⽶国アジア研究協会よりアジア研究への特別貢献賞を受賞。
●演出:ティーラワット・ムンウィライ(カゲ)/Teerawat ‘Ka-ge’ Mulvilai
B-Floor Theatre共同創設者・共同芸術監督。演出家・パフォーマー。タマサート⼤学美術・応⽤芸術学部でデバイズド・シアター(Devised Theatre)の講師を務める。タイの現代芸術⽂化省から演劇の優れた功績に対して贈られたSilpathorn Award(2018)など、受賞歴多数。造形芸術と舞台芸術を融合させ、社会と政治における暴⼒や不公平さなど⼈々の⽣活に影響を与える構造の問題を扱いながら批評的な作品を創作している。⽇本においては、⼩池博史、平⽥オリザ、岡⽥利規などの国際的な演出家と共演。近年の⽇本での出演作品に『プラータナー:憑依のポートレート』(2019)がある。
●演出:ノンタワット・ナムベンジャポン/Nontawat Numbenchapol
映画監督。社会派ドキュメンタリー作品を数々発表し、国際的に⾼く評価されている。
初のドキュメンタリー映画『BOUNDARY(邦題:空低く ⼤地⾼し)』(2013)は、ベルリン国際映画祭、アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)、⼭形国際ドキュメンタリー映画祭など、多くの映画祭で上映。2作⽬となる『BY THE RIVER』(2013)は、ロカルノ国際映画祭でタイ映画として初めてスペシャルメンション賞を受賞。『#BKKY』(2016)は釜⼭国際映画祭でプレミア上映、ドイツ・ハンブルグのLesbisch Schwule Filmtageより最優秀⻑編映画賞を受賞。
公演概要
タイトル:『An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私』
会場:東京芸術劇場 シアターイースト
⽇程:2022年10⽉28⽇(⾦)18:00
10⽉29⽇(⼟)16:00
10⽉30⽇(⽇)15:00
全3ステージ
上演時間:50分(予定)
各回終了後に約30分のQAセッションあり
上演⾔語:タイ語 (⽇本語・英語字幕付き)
チケット料⾦:⼀般 2,500円 他
後援:国際交流基⾦
詳細ページ(https://tokyo-festival.jp/2022/program/sake-cup)
また、『An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私』 の上演を前に10⽉16⽇には、タイ⽂学研究者の福冨渉さんによるレクチャーが開催されます。
本レクチャーでは、『An Imperial Sake Cup and I ー恩賜の盃と私』のなかで語られる、1930年代から70年代のタイ社会の状況と、⽇タイ関係を概観します。さまざまなエピソードを交えて、作品内で展開されるチャーンウイットの個⼈史の背景にどのような政治・社会・⽂化的⽂脈が存在するのかを知ることは、観劇の助けにもなるはずです。その過程は、必然的に普段あまり意識しない、⽇本と、タイおよび東南アジアとの関係について再考する機会にもなるでしょう。またそれらの⽂脈が、現代タイの政治的混乱や、2020年から続く若者たちの⺠主化運動にどう接続するのかというところまで展開していきます。単なるパフォーマンスの事前レクチャーではなく、タイ⼊⾨編とも呼べるレクチャーになる予定です。
公演と合わせてご参加いただくと、その内容をよりお楽しみいただける内容となっております。
レクチャーのみお申し込みいただくことも可能です。
タイ⽇関係でたどるタイ現代史
[⽇時]
10⽉16⽇(⽇)18:30-20:00 *開場は開始の10分前
[講師]
福冨渉
タイ⽂学研究者、タイ語翻訳・通訳者。
⻘⼭学院⼤学、神⽥外語⼤学で⾮常勤講師。著書に『タイ現代⽂学覚書』(⾵響社)、訳書にプラープダー・ユン『新しい⽬の旅⽴ち』(ゲンロン)、ウティット・ヘーマムーン『プラータナー』(河出書房新社)など。
https://www.shofukutomi.info/
[会場]
東京芸術劇場 アトリエイースト(東京芸術祭ひろば 内)
JR・東京メトロ・東武東上線・⻄武池袋線 池袋駅⻄⼝より徒歩2分。
駅地下通路2b出⼝と直結しています。
[参加料]
無料
定員に達し次第予約受付終了
・お申し込みはこちら(https://coubic.com/tokyo-festival/893060)
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