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タイ在住のサムライを自称する変人ポー。タイ山岳少数民族アカ族・村長の娘と結婚、一男一女をもうける。2022年3月に二冊同時出版をした『変人ポーの人間力』では独自の哲学を展開し、『変人ポーの平和論』では千年計画での世界平和を本気で考える。この連載では「人生たったの一度きりだから…」と豪語する彼の哲学を深堀りしてみる。(インタビュアー:梅田 隼人)
変人ポーと言えば、バンコクでタイ龍馬会を立ち上げるほどの龍馬好きであるが、実は普段はあまり龍馬のことを語らないらしい。そんな噂をかねてより聞いていた私は、敢えて変人ポーに龍馬の話を振ってみた。
変:山田長政は当時の王様・ソンタム王への忠義を貫いた人でありますが、ではお聞きします。梅田さんは、龍馬は義の人か、利の人か、どっちだと思います?
梅:私は利のイメージがありますね。前回のインタビューでも言いましたように、利の観点から薩長同盟を成し遂げたというのがありますので。
変:そうですね。実際に龍馬はこんな事を言っています。
「義理など夢にも思うことなかれ。身を縛らるるものなり」
梅:えっ。単刀直入に切り捨てていますね。
変:おもしろいですよね。龍馬の自由への憧れ、志に対する高潔な覚悟が伝わってくるようです。ただ、こんな事も言ってるんですよ。
「英雄とは自分だけの道を歩く奴のことだ」
梅:これも龍馬らしい言葉ですね。
変:ではもう一度、お聞きします。龍馬は義の人か、利の人か、どっちだと思います?
梅:そうなると、義でも利でもないように思えてきましたね。
変:そこなんですよ。これは私の持論なんですが、龍馬が切り捨てた義とは、身分格差やそれに伴う忠義だとか、何かあったら切腹して果てるだとか、ひいては儒学を通じてでき上がったあの封建社会の制度そのものの否定だと思うのです。そしてそれはすべて、自分の志を全うする為です。龍馬の志の前では、義だの利だのは小事でしかなかったんですよね。
梅:しかし龍馬が利の観点でもって薩長同盟を成し遂げたことは事実ですよね?
変:想像してみてください。龍馬が生きた幕末、江戸時代の封建社会とは、義の時代ですか? それとも利の時代ですか?
梅:あっ。義の時代ということですか。
変:そうなんです。そりゃ江戸時代でも商人にとっては利の世界がありましたが、何しろ武家政権です。世は本物の侍の時代。少なくとも武士であった龍馬が生きた幕末では、時代遅れの義がはびこる世界でした。これが、龍馬が利を用いた所以であるのだと私は思います。
梅:つまり、自分だけの道ということですね。
梅:では、彼ら(山田長政/坂本龍馬)が今生きていたとしたら、どうしているんでしょう?
変:山田長政はアユタヤの地で日本との朱印船貿易でかなり儲けたようですが、ソンタム王へ一貫しての忠義に見られるように基本的には義の人かと思われます。山田長政の人格がもう、義そのものであるといったイメージですね。
梅:なるほどです。龍馬はどうですか?
変:龍馬は義でもなく利でもない、その性格は決して一辺倒ではなく、必要であればそれらを自由に用いてその時代に見合った独自のやり方でもって、その志に向かっていくような人です。実は、超がつくほど現実主義の人なんですよね。そういった意味では、今の資本主義経済の世の中では利がはびこっていますので、現代ではどちらかというと義の方に着目するのかと思います。そもそも、義だとか利だとかの議論にはおよそ当てはまらないような人なので、それこそ正に「その度量、海の如し」です。同時に、義だけではその志は成らないことも知っている。だから、“世界の海援隊”なんですよね。おもしろいですね。
おもしろいと言えば、ここで一つ、宣伝です。かの有名な司馬遼太郎著『竜馬がゆく』の英語版が出版されました。このようなご時世でありますから外国人の皆さんにも、是非とも読んでもらいたい名作です。
<内容紹介>
『変人ポーの人間力』
もっと早く読んでいれば……!母国日本の未来を圧倒的スケールと独自哲学で綴る啓蒙書。テクノロジーの現代に必見の英知を凝縮した一冊。葉装家 稲荷重藏氏推薦!
『変人ポーの平和論』
世界80億人が必見!”それ”を維れ新めるにはこの本にあるような教育が必要だ。教育は、全てである。 郷士坂本家十代目 坂本匡弘氏推薦!
全国の書店、Amazon、Kindleにて好評発売中!
『変人ポーの人間力』『変人ポーの平和論』二冊同時出版をしたその理由とは!?
別書『人間力』はこれからの時代における自己啓発がテーマとなる。具体的にはテクノロジーとグローバル社会においての“超実践的”自己啓発本で、本書『平和論』 はその“超具体的”方法論の一つをまとめた内容となっており、両書は“対”になっていることが特徴だ。そしてこれは“知識”と“知恵”の対のことであるとも言えよう。つまり、知識の『人間力』、知恵の『平和論』ということにもなり、どちらか一方が欠けてもその魅力は半減してしまう。
ここで知識と知恵の違いについては、変人ポーの言葉をそのまま引用する。
「知識はあくまで知識だ。知識は行動を伴うことにより知恵となる。そして、この知恵は答そのものだ」
よって書籍『人間力』だけでは単なる自己啓発本に過ぎず、これでは従来の自己啓発本とともに単なる知識で終わってしまうこととなる。書籍『人間力』は、知恵の『平和論』という背景があってより現実的な哲学として完成する。
また書籍『平和論』だけでは机上の空論、あるいは“事実と意見の違い”もわからぬままに誤解され兼ねない。書籍『平和論』は、知識の『人間力』という裏付けがあってはじめて現実的な方法論となる。
本書を読み終える時にはこの意義が本当の意味で理解していただけることを祈念しつつ、ここに紡いでいく。
<『変人ポーの平和論』はじめにより抜粋>
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