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株式会社富士薬品とエーザイ株式会社は、富士薬品が創出した痛風・高尿酸血症治療剤ドチヌラド(一般名)について、東南アジア諸国連合(ASEAN)のタイ、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピンでの開発・販売に関するライセンス契約を締結しました。
エーザイと富士薬品は、ドチヌラドについて、2020年2月に中国での開発・販売に関するライセンス契約を締結しており、今回の契約締結は、東南アジアへの提携の拡大となります。
--発表内容は以下。
本契約に基づいて、エーザイは富士薬品より、当該諸国におけるドチヌラドに関する独占的開発権・販売権を獲得します。製剤は富士薬品が生産し、エーザイに供給します。エーザイは富士薬品に対して契約一時金と販売マイルストンを支払うとともに、当該諸国における新薬承認申請を担います。
高尿酸血症は、痛風をはじめ、泌尿器系、内分泌系、代謝系、脳心血管系などにおける様々な疾患に関連していることが知られており、東南アジアにおける現在の高尿酸血症、痛風患者様数は約283万人と推定されています※1。これらの患者様数は、社会経済の発展に伴う生活習慣や食嗜好の変化等に伴い、今後もさらに増加することが予想されています。
ドチヌラドは、富士薬品が創出した新規の痛風・高尿酸血症治療剤です。腎臓での尿酸再吸収に関与するトランスポーター(URAT1)を選択的に阻害することにより、尿酸の再吸収を抑制し、血中尿酸値を低下させます。日本国内では2020年1月に富士薬品が製造販売承認を取得し、同年5月から販売しています。
本契約により、富士薬品は、エーザイのアジア地域における事業基盤を活用することにより、本剤の価値最大化を期待しています。エーザイは、当該諸国における本剤の開発および商業化を進め、東南アジア地域におけるアンメット・メディカル・ニーズを有する患者様への貢献をめざします。
両社は、本剤の開発・商業化により、中国に加えて当該諸国における痛風・高尿酸血症に対する新たな治療選択肢を提供し、アジアにおける患者様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上により一層貢献してまいります。
以上
【参考資料】
1.株式会社富士薬品について
富士薬品は、1930年の配置薬販売の創業からスタートし、現在では配置薬販売事業に加えて、ドラッグストア・調剤薬局事業、医薬品製造事業、医薬品研究開発事業、医療用医薬品販売事業を展開する複合型医薬品企業となっています。スローガン「とどけ、元気。つづけ、元気。」のもと、「セイムス」を中心としたグループ全体で1,360店舗のドラッグストアと、全国に広がるラストワンマイルを埋める配置薬販売ネットワーク、そして医薬品の研究開発・製造力を生かし、ひとの暮らしのあらゆる場面で寄り添い、元気な日々を支え続けることで、誰もが豊かな人生を送れる社会の実現をめざしています。
医療用医薬品の研究開発事業においては、異なる作用機序を持つ2剤の痛風・高尿酸血症治療薬「トピロキソスタット(品名:トピロリック(R)錠)」と「ドチヌラド(品名:ユリス(R)錠)」を創出しました。ドチヌラドについては、痛風・高尿酸血症治療を必要とする世界の患者様への貢献をめざし、ライセンス活動に取り組んでいます。
株式会社富士薬品の詳細情報は、https://www.fujiyakuhin.co.jp/ を参照ください。
2. エーザイ株式会社について
エーザイは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念としています。当社はグローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、hhcの実現に向けて戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、世界で約1万人の社員が革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。
当社はhhcの理念のもと、サイエンス、臨床科学、患者様の視点から、顧みられない熱帯病、持続可能な開発目標(SDGs)を含む世界のアンメット・メディカル・ニーズに対して、革新的なソリューションの提供をめざします。
エーザイ株式会社の詳細情報は、www.eisai.co.jpをご覧ください。Twitterアカウント@Eisai_SDGsでも情報公開しています。
3.ドチヌラドについて
ドチヌラドは、富士薬品が創出した痛風・高尿酸血症治療剤です。尿酸トランスポーターの1つであるURAT1を選択的に阻害することで、腎臓での尿酸の再吸収を妨げ、尿中への尿酸排泄を促進します。また、その他の尿酸分泌に関与するトランスポーターなどへの影響が少ないため、より少ない用量で血清尿酸値を低下させ、副作用や薬物相互作用のリスクが低いことが期待されています。
日本国内では2020年1月に富士薬品が製造販売承認を取得し、同年5月から販売しています。
1 Saeid Safiri et al., Prevalence, Incidence, and Years Lived With Disability Due to Gout and Its Attributable Risk Factors for 195 Countries and Territories 1990–2017: A Systematic Analysis of the Global Burden of Disease Study 2017, American College of Rheumatology, 2020 Nov; 72: 1916–1927.
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