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新型コロナウイルス感染症の影響が広がる中、在カンボジア・タイ大使館ならびにカンボジアで活動するタイ企業多数が、ジャパンハートのカンボジアでの活動継続を支援しています。2021年6月4日に寄贈式典が開催されました。
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2016年に設立されたジャパンハートこども医療センターでは、カンボジア国内の小児患者に、無償で医療を提供しています。これまでに受け入れてきた外来患者は延べ6万人で、5000件以上の手術を実施。小児がん治療を開始した2018年からは、150人以上の小児がん患者を治療してきました。
高度な医療サービスが十分に提供されていないカンボジアでは、がんなどの治療のために、隣国タイを訪れる人も少なくありません。タイ側も、カンボジアの人々が医療サービスを受けられるよう、さまざまな支援を行ってきましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の影響で渡航制限が敷かれるなどしたことで、カンボジアの人たちがタイで治療を受けることが難しくなりました。そのため、以前であればタイなどへ治療を受けに行っていた患者も、ジャパンハートこども医療センターに治療を受けに来ることが増えたのです。
2021年6月4日、プノンペンの在カンボジア・タイ大使館で行われた寄贈式典では、パンヤラック・プーンサップ特命全権大使から、ジャパンハートこども医療センター院長の神白麻衣子医師とカンボジア事業責任者の佐藤抄事務局長に、寄付の目録が手渡されました。
今回、タイ王国大使館からは、ジャパンハートこども医療センターに必要な10台のベッドが寄贈されました。また、タイ企業を対象とした募金キャンペーンを通じて合計11,200米ドルが寄せられ、加えてさまざまな物資も寄付されました。これらの寄付は、主に小児がん患者の無償での治療と、その関連費用に使われます。
パンヤラック大使は「これまでタイ大使館は、タイで治療を受けたいカンボジア人を支援してきました」と振り返った上で、「このパンデミックの中で、あなたの子どもや家族の一員に高度な治療が必要となっても、カンボジアではその治療を受けることが簡単ではありません。そこで、カンボジアの子どもたちに無償で専門的な治療を提供しているジャパンハートこども医療センターに協力し、質の高い医療サービスを維持するために必要な援助を行うことにしました」と述べ、カンボジアでジャパンハートが果たす役割に期待を示しました。
今回の寄付については、現地メディア「The Phnom Penh Post」でも取り上げられました。
ジャパンハートはこれからも、ジャパンハートこども医療センターの運営や医療者を目指すカンボジア人学生の支援などを通して、「医療の届かないところに医療を届ける」活動に取り組んでまいります。
【(認定)特定非営利活動法人ジャパンハート】https://www.japanheart.org/
ジャパンハートは「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に、国内外で無償の医療活動を行う認定NPO法人です。1995年に小児外科医・吉岡秀人が単身ミャンマーで活動を開始して以来、現在はカンボジアやラオスなど東南アジア諸国で、小児がん手術などの高度医療を含む治療を年間約35,000件実施してい
ます。HIV孤児など恵まれない子供たちに、教育機会を提供する児童養育施設も運営。国内では、小児がん患者家族の外出に医療者が同行するプロジェクトや、離島・僻地への医療者派遣、災害被災地への緊急救援事業を行っています。また新型コロナウイルス感染症対策として、全国35か所以上のクラスター現場へ医療チーム140名以上を派遣しているほか、全国700以上の医療・福祉機関へ200万枚のマスク等物資寄付、全国600以上の福祉施設への感染予防指導等を継続しています。国際連合UNIATF Award 2020を日本から唯一受賞。
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