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タイ我闘雲舞が更なる飛躍を目指して発展的解散をしたのが2019年11月。運営者のプミさんは新団体“SETUP”を立上げる。今回観戦に訪れた“エピソード3”は、SETUP誕生1周年記念興行となった。
会場はThe Circus StudioをいうMRTラップラオ駅より徒歩10分ほどのところ。映像スタジオG Village Bangkok内のスタジオ、まぁ日本人はまず足を踏み入れないであろう場所。実際試合会場への入口が分かりづらかったかな。
我闘雲舞からSETUPになって大きく変わったなと感じた点はWWFや新日の様に試合までの遺恨なりの物語性を取り入れたこと。第3試合の“Paksa vs Terry Diesel”のストリートマッチに至るまでの経緯をFBなどで動画配信されていた試みは非常に興味をそそられた。そしてなんといってもマットからリングへ闘いの場が移されたこと。
この興行で組まれた試合は4試合、120枚のチケットは完売となった模様。プミさんのスピーチ、観客の「ハッピーバースデー」のコールから始まり、(自分の苦手な)アイドルのEuphonie☆の歌披露へ…。ここに乱入したのがTerry Diesel(EK Baki)。Paksaが助けに来て第3試合への更なる喧嘩マッチアピールにしたかった様だが、会場は「アイドルへ手を挙げたTerry Dieselってどうなの⁉」的な雰囲気となっていた(苦笑)。
第1試合から面白い試合が続く。Johnathan Johnsonは容姿や闘い方がスマートでスター性を感じた。唯一残念だったのは必殺技のHeadlock Driver、「あれ、今のが必殺技だったの⁉」というインパクトに欠けるものだったかな…。
第2試合のGunn vs Monomath、この2選手はストリートファイターvsおかま系プリンスという図式でキャラが映えていて良かった。敗れたもののGunnはジュニアのエースになって貰いたい格好良さとスピードがあった。
試合の合間×2にコロナ対策として消毒が行われた。入念にロープやコーナーを磨くも“ちゃんと消毒しなきゃいけないのは、マットでしょ⁉”と思ったのは自分だけか…⁉
第3試合のPaksa vs Terry Dieselは、やっぱり長く我闘雲舞をけん引してきた同士による闘いにて、椅子や机が飛び交う見ごたえ充分な遺恨マッチとなった。第4試合でもそうだったのだが、ここで試合を裁くレフリーが全然物足りなく…往年のレフリー、ミスター高橋やジョー樋口・和田京平だったらどう裁くだろうなぁなんて。この試合はメインでも充分通用する迫力ある試合であった。
第4試合は王者Shivamの貫禄、格好良さのみが発揮された試合。生で初めてこの選手を見たが暫くこの選手がSETUPのエースに君臨し続けるのであろう。逆に期待外れだったのが挑戦者のマスクマンAzura、みちのくにも参戦していて、エピソード2ではPaksaを秒殺していたので、楽しみにしていたのであるが…いまいちでした。
試合後に王者Shivamが何者かに急襲された。そこに加担して次期挑戦状を叩き付けたのが、第1試合で存在感を示したJohnathan Johnson。更に急襲した2人組の選手の1人は後日日本人であったことが判明(SETUP Facebookより)。さぁここからエピソード4に向けてどの様なストーリーが待ち受けているのか、非常に楽しみである。
と、ここで興行が終われば良いものの、我闘雲舞時代から選手と観客が近いのがタイのプロレス界…ということで、遺恨が残る選手、急襲した選手された選手が一同に会して観客への挨拶周りを始めた。プロレスはショーであることは重々承知しているも、「やっぱりこの選手同士は本気でいがみ合っている訳ではないのかぁ!!」と感情移入し辛い環境となってしまう訳で…。
そんなことをいいながら、しっかりと王者Shivamと写真撮影、「楽しかったですか?また来てください」という王者の言葉に2つ返事を即答する“いとたく”親子であった。
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