|
|
メディアで自らの悲劇の人生を語り、一晩で寄付金800万バーツ以上(約2700万円)を集めたタクシー運転手のシッティチャイ氏(72歳)。ところが彼の話は全部ウソだという告発がタクシー会社オーナーにより行われて話題になっています。
先の4月にシッティチャイ氏が、PBSの記者に涙ながらに語ったのは、以下のような話でした。
シッティチャイ氏の人生はまるで悲劇のようで、食べるにも困り、どうやってお金を得ようかと考える日々。現在は1日300バーツでタクシー車両をレンタルして運転手をしているものの、新型コロナウイルスの影響で客はほとんどなく、小包配送のアルバイトをしています。一人暮らしの借家の家賃を支払う金もなく、現在の所持金はわずか200バーツ・・・。
その話がSNSで拡散されると、シッティチャイ氏のもとには1番で800万バーツ以上もの寄付金が集まったのです。シッティチャイ氏は、寄付金で家と中古のタクシーを購入し、残りは新型コロナウイルスの患者のための病院や、タクシー運転手のための財団などに寄付をすると明らかにしていたのですが・・・。
シッティチャイ氏にタクシー車両を貸している会社オーナーのプリチャ氏(49歳)は5月12日、シッティチャイ氏は完全に詐欺師であり、被害者が出ないようにしたいと告発。大きくメディアで取り上げられることになりました。
プリチャ氏によると、シッティチャイ氏の話は全てが同情を引くための嘘。シッティチャイ氏は一人暮らしではなく、同じくタクシー運転手であるシッティチャイ氏の息子と同居中で、家賃の支払いの必要がないとのこと。またシッティチャイ氏と息子にタクシーを貸し出しているものの問題も多く、2人には合わせて14,970バーツを貸している。しかし寄付金を得た後2人共プリチャ氏の会社からタクシーを借りることをやめ、借金を返してもらうために家を訪れても会うことは出来なかったのだとか。
シッティチャイ氏の話が嘘だったのか本当だったのかはわかりませんが、とにかく1日で800万バーツ以上の寄付が集まってしまうことに驚かされます。なおタイでは“タンブン”といい、仏教の考え方で恵まれない人に寄付をすることなどが、徳を積むことになるとされています。
関連記事
新着記事