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ムエタイの聖地ラジャダムナン(ラチャダムヌーン)・スタジアムにて、日本人選手2名がタイトルマッチを行うという。この興業は第1試合からIBF(国際ボクシング連盟ムエタイ部門)のタイトル戦にてビックマッチ目白押しの特別なイベント。ムエタイを(まだ2回しかトレーニングしてないけど…)齧り始めている“いとたく”は早速この熱い戦いの地へ足を運んだ。
ディアライフの社員にて現ムエタイ・フィットネス・ジム“MIGAKU”のマネージャーを務める高村氏。彼はラジャダムナンのリングで“コリアン・サムライ”と呼ばれ大暴れした実績を持つ。今回はレポートを書くにあたり、高村氏に解説をお願いした。
会場は第1試合から異様な熱気に包まれていた。勝敗が決まる直前まで“賭け”が行われている様で、贔屓にしている選手の攻撃が決まると大歓声が起こり、またラウンド休憩中は“市場の競り”のようにやり取りが行われていた。
格闘技の選手の勝敗はそのまま個人の履歴となる。だからファイナルラウンドで、ポイントを上回っていると考える選手は逃げ回って戦おうとしない…サッカーW杯“日本vsポーランド”を思い出した。決勝トーナメントへ進むための作戦、これは賛否を呼びましたよね。まぁ美学は記憶にも記録にも残らないからね。
日本人選手にとって、ここは完全アウェーの地。引分け判定は即負けへと繋がる…是が非でも倒しに行かなければいけない戦いとなるようだ。あとはサッカー界でも主流となっているが、対戦相手の分析を行い、戦前には相手を丸裸する準備をするそうだ。キックボクシングがまだ主流の日本の選手達は“肘と膝”の対策が求められるという。
早速第2試合ミニフライ級王座決定戦に竜哉選手が登場。タイ人選手のミドルキックをほぼ完璧にキャッチして(キャッチしていても相当痛いらしいのであるが)、カウンターを合わせることを徹底した戦い。理想的な試合運びにて、竜哉選手はタイトルを獲得した。
ムエタイの世界では“ラジャダムナン・スタジアム”と“ルンピニー・スタジアム”の2大勢力が君臨する。この2つのベルトを外国人で初めて統一したのが名高選手である。この名高選手は第4試合にライトフライ級王座決定戦に登場。観客もこの絶対王者の存在を認めている様で、会場は一気にヒートアップした。試合の方はお互い手数は多いものの悶着状態が続く…特に最終ラウンドは、倒しに出る名高選手に一歩も引かない戦いをしたタイ人選手。結局試合は判定までもつれ込んだが、ここであまり“俺が勝った”とアピールをしない名高選手、タイ人選手の判定勝ちとなったが、完全アウェーの地で“これでは勝てない”と悟っている様に見えた。
とはいえラジャダムナン&ルンピニー・スタジアム・ミニフライ級統一王者、更にMNAライトフライ級の2階級王者である名高選手、今回IBF王者を獲得した竜哉選手ともども未だ18歳という。今後もサムライ王者2人のさらなる飛躍を追いかけて行こうと思う。
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