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バンコクでは昔からある、ニューハーフ集団による「抱きつきスリ」。夜道でニューハーフ集団に囲まれて、抱きつかれ、体を触られているうちに、財布などの貴重品を奪われるというもの。2019年6月現在でも、被害者は後を絶たないようです。
在タイ日本国大使館ウェブサイトにも、以下のように紹介されているので、これを読んで気をつけている人も少なくないでしょう。
歩いている被害者に対して、まず、女装した犯人が、近付き、前方を塞いだり、抱きついたりします。すると、別の犯人2名が現れ、被害者の両側から腕を羽交い締めにして、動きを封じ込めます。そして、別の犯人が、財布等を抜き取ります。(在タイ日本国大使館ウェブサイトより 抜粋)
そんな中、バンコク・アソークで抱きつきスリに盗まれたiPhoneを返されたという、妙な経験をしたという方にお話を聞きました。4月からタイに赴任したばかりで、アソーク在住の佐藤さん(仮名)です。
--それはどこで、何時頃のことだったんですか?
佐藤さん:だいぶ遅い時間だったので、夜の1時過ぎだったと思います。スクンビット通りのBTSアソーク駅辺りを自宅に向かって歩いていたんです。
--もしかして、歩道橋だかBTSアソーク駅へ上る階段だかがある辺りじゃないですか?
佐藤さん:はい、そうです!階段の横を通らなければならなくて、歩道が狭くなっているところです!
--そこはニューハーフの抱きつきスリの仕事場なんですよ。階段の視覚で周りからよく見えず、歩道が狭いので逃げ場がないので。
佐藤さん:まさにそうでした。囲まれたらもう動けないんですよ。
--階段の横にニューハーフたちがいるのは見えていたんですか
佐藤さん:見えていました。でもそこを通らないと他に道がないので・・・。
--ですよね。そういう手口ですよね。
佐藤さん:階段の横を通ったら正面から抱きつかれたんですよ。それで何人かに体を触られたんです。両手を広げられて、もうされるがままでした(笑)。
--良いお客さんですね(笑)。
佐藤さん:ははは(笑)。いや~、まさかスリだとは思ってなかったんです。そこを通り過ぎた後も、何も気にせず(苦笑)。
--全然気づかなかったんですね、それでどうやってiPhoneが帰ってきたんですか?
佐藤さん:何歩か進んだところで、ポンポンと肩を叩かれたんです。抱きついてきたニューハーフでした。それで「はい」ってiPhoneを渡されたんです。
--えー!ニューハーフが自分で返しに来たんですか?
佐藤さん:そうなんですよ。すぐにポケットをチェックしたらiPhoneがなくて、確かに私のものなんです。
--盗んだものを返すとは・・・。もしかして凄く古いiPhoneだったとか?
佐藤さん:いやいや、まだ新しくてキレイなものですよ。
--だとしたら、iPhoneの紛失した時の追跡を警戒したんでしょうか。
佐藤さん:あ~、そうかも知れませんね。
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今どきの抱きつきスリは、スマートフォンの追跡機能を警戒しているのでしょうか。しかし盗まれたものが財布や時計、宝石などだったら絶対に戻ってこなかったに違いありません。
現在も活動するニューハーフの抱きつきスリたち。夜のスクンビット通りはスリ多発地帯なので、十分ご注意ください。
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