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2019年5月11日(土)・5月12日(日)・・・晴天の空に、素晴らしいハーモニーが響き渡った・・・。
毎年、東京・代々木公園がタイ一色になる「タイ・フェスティバル」のメインステージで歌う、タイの人気アーティストに違いないが、なんだかタイっぽくない。
オシャレかつ、それでいて重厚で、うーん、しかも爽やかではないか!?
さて、その正体は・・・?
タイではめずらしい“ハイブリッド・アカペラ・ポップ・ソウル”スタイルのSeason Five!小学校の頃からの友達同士が組んだ、ハーモニー集団だった!
YouTubeでの曲の動画再生数も増え、今タイで注目を集めているSeason Fiveにタイランドハイパーリンクスでは独占取材。その声の秘密に迫れ・・・るかな・・・?
――衣装がスーツでバッチリ決まってますね。今日の渋谷は凄く暑いんですけど。
エ―ク:えっ?ちょうど良いよ!
――タイの方が暑いという事でしょうか・・・
ジェー:凄く暑いよ。今日は38度かな。毎日40度近いよ。
一同:サバイサバーイ(快適!)
エ―ク:日本は何度なの?
――今日は27度ですね。
エ―ク:10度も違うから、丁度良いですよ。
――日本だと25度を超えるともうスーツは無理ですね。クールビズになります。
一同:笑・・・。
――タイでは珍しいスタイルのグループですよね。デビューする時からアカペラでいくって決めていたんですか?
ジェー:実は僕たち小学生の時から友達なんですよ。
――えっ!?小学生から?
エ―ク:というのも、バンコククリスチャンという私立学校に通学してて、そこに大きな合唱団があったんですけど、4人とも所属していたんです。学校は小学校から高校生まで一貫教育だったから、4人とも友達のままそのまま進学していったんですね。
ジェー:合唱団出身だったから、それを活かしたバンドにしようって話になって、アカペラになりました。
エ―ク:曲を聴いたら「Season Fiveの曲だ」ってわかるようにしたいと思って。
――リーダーはエ―クさんですか?
エ―ク:うちのグループにはリーダーはいなくて、みんな立場は同じなんだけど、最初に誘ってくれたのはジェー。
ジェー:一人で歌ったら面白くないから(笑)。みんなで歌った方が楽しいから、誘いました。バンドとしてのリードボーカルはエ―クです。きっかけは・・・みんな90年代の音楽を聴いていて、日本の音楽や、アメリカの音楽を聴いていて・・・。
――日本だとゴスペラーズとか?
一同:そうそう!
ジェー:洋楽だと14 KARAT SOULとかBoyz II Menもカヴァーしていきたいなあって思っていました。
――小学生から一緒にいたらさすがに喧嘩になるんじゃないですか?
エ―ク:それみんなに聞かれます(笑)。でもプライベートでは喧嘩になったことはないんですよ。仕事ではありますけどね。
――仕事では言い合うんじゃないですか!
ジャック:リーダーがいないから、仕事で喧嘩はありますね(笑)
エ―ク:メンバー全員が好きな曲を作りたいんですよ。一人が「これは嫌だ」と言ったら「どこが嫌いなのか」を聞いて調整します。だから作曲には大変な時間がかかりますね。
――諦めてもらえばいいのに。他の曲で満足してもらうとか(笑)
エ―ク:(笑)だから作曲には大変な時間がかかりますね。
ジェー:多分これまでタイで聴いた事がないと思ってもらったのは、アカペラということではなくて、レコーディングで細かい音を何度も何度も重ねているからじゃないかな。
エ―ク:そうそう。でもタイで聴いたことがないタイプというのは正解で、曲を聴いただけで「Season Fiveの曲だ」っていうふうにしています。確かにタイにはないかもしれないですね。
ジャック:本当に細かいボーカルをしていますからね。低音、中音、高音・・・。
――再生数もかなり伸びているらしいんですが、そういや最近モテるなって思ったりします?
一同:笑・・・。
エ―ク:いやー、モテたって感じはしないですね(笑)。でも再生数が増えた理由は、歌詞だと思っています。心が伝わるような歌詞を心がけています。ある外国人に言われて印象に残った言葉が「あなたたちは悲しい歌詞の王様だね」って言われたんですよ。
――その悲しい歌詞を作る人は誰ですか?
ジェー:(笑)・・・。全曲・歌詞ともエ―クです。
――えええー?他の3人はお手伝いしないんですか?
ジェー:全員でプロデュースはしているんですよね。
ジャック:そのパートのアレンジどうしていくかとかは担当者がやっているので。手伝ってます(笑)!
――アカペラだけではなくて楽器もできますよね。パオさんはギターで。
パオ:はい。ギター弾いてます。
エ―ク:みんな楽器できます。
――才能ありますねー・・・
エ―ク:そうそう。僕たちの曲はYouTubeにあげてすぐに再生数がぐぅーっと伸びるわけじゃないんですよね。少しずつ確実に伸びてきっています。
――日本は何度目ですか?
エ―ク:旅行で来ました。バンドとして来日したのは初めて。あと東京は初めてです。旅行では大阪に行きました。
ジェー:僕は東京に2回来ています。
ジャック:ちなみに僕とパオは日本自体が初めてです。
――おお!日本に来た感想はどうですか?
ジャック:どこに行っても料理が美味しいです(笑)。人が沢山いるんだけどシステマティックに動いているみたいで、見ているだけで面白いです。規則正しいし街並みもきれいですよね。
パオ:タイよりもキレイです(笑)
――なるほど・・・。
パオ:あと小さなことでも皆さん、マナーを守りますね。新しい技術もすごいと思います。そこまで気を使って作るって凄いなと、印象に残ることが多いです。
――東京が2回目というジェーさんは、東京の好きなところはどこですか?
ジェー:電車のシステムが凄いと思う。どうして時間ぴったりに来るの(笑)?
――タイもBTSやMRTは時間通りに来ませんか?
ジェー:いや。そんなことはない(笑)。日本の半分でもいいから、正確に運行してくれれば国が発展するだろうなーって思って(笑)。
エ―ク:僕もそう思ってた(笑)!
――笑・・・。
エ―ク:僕は日本を愛してますね。すごく発展しているのに、古い伝統と新しさをうまく融合させているでしょう?服装も音楽も、新しいもの、古いものすべて合わせられる。超高層ビルの隣に古い家屋が残っていたりする景色が凄く好き。
ジェイ:音楽をすごく大切にしている国だよね。子どもから老人までジャンルは違っても楽器を弾ける人が多いから、一つの曲ができるまでの苦労を知っていると思います。だからきちんと聴いてくれるんだろうなって思います。
パオ:ちょっとびっくりしたんですけど、10年前からSeason Fiveの曲を聴いてくれている日本人がいるんですよ。
――えっ?それ凄くないですか?
パオ:CD持ってきてくれて見せてくれたんです。えっ?そんなの持ってるんだって。今回の「タイ・フェスティバル」でこんなに日本人がタイ料理やタイの音楽に興味を持ってくれているなんて知らなかった。本当に驚きました。
――では、最後にエ―クさん。代表して日本人にメッセージをお願いします。
エ―ク:タイで作った音楽のはずなのに、こんなにたくさんの日本人が聴いてくれる。本当にありがたいです。ありがとう。僕たちの曲を好きになってくれて、応援してくれて、ありがとう。
とにかく音楽と真正面からぶつかり、妥協をしないSeason Fiveの皆さん。楽屋での軽いリハーサルでも、周囲をうっとりとさる見事なハーモニーでした。
タイの音楽シーンはもともとハイレベルですが「唯一無二の曲を作る」といういアーティストが続々と登場し、アジアの音楽をけん引していく立場になるのも、そう遠い日ではないように感じました。
ちなみに、バンコククリスチャンという学校は、タイ人曰くお育ちの良い方が通う学校だそうです(笑)。どーりでねぇ・・・!
[インタビュー 吉田彩緒莉]
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