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引用の要件を満たさぬまま第三者の文章や画像などのコンテンツを無断利用する、「NAVERまとめ」を始めとするキュレーションサイトに対する反発が広がりつつあります。
DeNA社に端を発したキュレーションサイト問題。当初は医療キュレーションサイト「WELQ」の不正確な記事が問題視されましたが、次第に焦点は文章や記事の無断利用などの著作権侵害に移行し、ついには「MERY」や「Find Travel」など、DeNA社によるキュレーションサイトの10サイトが休止。会長、社長が謝罪会見を開く事態となりました。
一連の出来事を受けて、著作権侵害が横行するキュレーションサイトの元祖とも言える「NAVERまとめ」を運営するLINE社は新方針を発表。2017年中にコンテンツ保持者に対しても使用料を支払う新システムを運用開始するとしています。
しかしLINE社は、これまでの「NAVERまとめ」の運用方法に問題があることを認めて新方針を打ち出したものの、公開中の記事の削除は行わないという考えを示したことに多くに人が反発。「新システム運用までサイトを休止するべき」「著作権侵害などの問題箇所は全て削除するべき」などの声が上がっています。
「NAVERまとめ」に引用の要件を満たさぬまま画像を無断利用されたフォトグラファーの有賀正博さんは、LINE社に抗議。しかしLINE社はその責任は全て記事を作成したユーザーにあるとして、一切の責任を認めませんでした。そこで有賀さんは記事を作成したユーザーの情報開示を求めて、LINE社に必要書類を送付したものの、LINE社はなんの説明もなく情報開示を拒否したとのこと。その顛末が以下に詳しく書かれています。
このLINE社の不誠実な対応に、有賀さんをはじめとする「NAVERまとめ」に無断利用された人々がさらに反発を強め、遂には「NAVERまとめ」に広告を配信するYahoo! JAPANに対して広告配信停止を求める署名も開始されました。
本サイトをご覧いただいている方の中には、ウェブサイトやブログの運営をしているという方も少なくないでしょう。皆さんは既にキュレーションサイトに文章や画像を無断利用されていないか確認済みですか?特に旅行関連のウェブサイトやブログは、なかなか簡単には行くことが出来ない場所の貴重な画像も多く、無断利用されやすいのです。
キュレーションサイトに無断利用されていないか確認する方法はとっても簡単です。例えば「NAVERまとめ」に無断利用をされていないか調べたい場合は、以下の様にGoogleやYahoo!で検索をしてください。
「site:matome.naver.jp ウェブサイトやブログのURL」
本サイトであれば「site:matome.naver.jp thaich.net」で検索です。そして利用された文章や画像が引用の要件を満たしているか確認をしてください。
※引用の要件
・出典が明示されているか
・引用元のページにリンクがされているか
・引用の文章や画像が主体になっていないか。
ただしこのやり方は、キュレーションサイトに引用元としてURLが記載されている場合のみとなります。無断利用されていることが確認できない場合も少なくないのです。
★旅行系サイト・ブログから無断利用している可能性の大きいキュレーションサイト一覧
・NAVERまとめ matome.naver.jp
・ギャザリー gathery.recruit-lifestyle.co.jp
・Spotlight spotlight-media.jp
・RETRIP retrip.jp
・TapTrip taptrip.jp
・TravelBook travelbook.co.jp
もし無断利用を見つけたらどうしますか?「気にしない。使ってもらえて、見てもらえて嬉しい」という方は何もせずそのまま。「勝手に使って欲しくない」という人は削除依頼、または使用料金を請求することになります。DeNA問題以降、無断利用には利用料金を請求する流れが大きくなりつつあるようです。
先述のフォトグラファー有賀さんのブログには、キュレーションサイトに請求書を送った顛末が書かれていますので参考に。
キュレーションメディアに写真をパクられたら請求書を送ることにした
さらに自身のコンテンツを守るために、転載、引用についてウェブサイトやブログに記載しましょう。コンサルタントの永江一石さんのブログを参考に。
最後に一つ。キュレーションサイトで記事を書いているという方は十分ご注意を。LINE社の「NAVERまとめ」とサイバーエージェント社の「Spotlight」では、運営が一切の責任を認めることをせず、全て記事を作成したユーザーの責任としているため、ある日突然莫大な額の使用料金の請求が行くことも十分考えられます。軽い気持ちで参加したキュレーションサイト、何の気なしに行った著作権侵害で、大損をしてしまうかもしれません。
★追記 「NAVERまとめ」が著作権侵害ユーザーの情報開示へ、ユーザーに賠償請求殺到か?
LINE社は2016年12月28日、著作権侵害を行ったユーザーについては正当な請求があれば、ユーザーの同意なく情報開示を行うことを発表しました。これで情報開示にかかる手間が少なくなり、ユーザーへの賠償請求が本格化すると予想されます。
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