|
|
◆ブア・ガモンティップ(2015年11月12日、ラーチャパットプラナコン大学講堂にて)
ブア・ガモンティップ(บัว กมลทิพย์)という歌手がいます。
トップライン・ダイアモンドというレコード会社に所属する、チャチュンサオ出身の現在23歳(2015年時点)の女性歌手です。
彼女はまだ若手ということもありますが、アルバムも他の歌手と共同で1枚出しているだけで、大きなヒット曲もありませんので、日本人はおろかタイ人にもまだまだ名が知られていない歌手と言えます。
そんな、まだまだこれからの歌手であるブア・ガモンティップでありますが、今、筆者が一番将来を期待している歌手の1人でもあります。
◆ルークトゥン専門チャンネル「タイ・チャイヨー」のTV収録にて(2015年9月8日)
筆者が最初にブアを知ったのは2013年9月にタイに旅行で訪れた際に観に行った、サーヤン・サンヤーの追悼コンサートでのことでした。
沢山歌手が登場する中、現れた彼女は1曲だけだったのですが、ポップな曲調と可愛らしい声に何か惹かれるものを感じて、日本に帰ってからもブアの事を色々調べたりしていました。
◆2013年9月23日、ワット・ライキン(ナコンパトム)でのブア・ガモンティップ
その後、筆者が短期でタイに滞在していた2014年7月に、再びブアのステージを観る機会を得ました。
その時はさすがに1曲だけという訳ではありませんでしたが、まだ単独でのステージという訳にはいかず、ピーター・フォーディファイ、ナンシー・トップラインといった歌手との共演でした。
◆2014年7月11日、ワット・バーンナムチョンにて。
しかし、その時に歌っていたのが10分以上にも渡るアップテンポ曲のメドレーで、よくぞこれだけの長時間を息も切らさず、踊りながら歌い続けられるものだと関心したものです。
それから、ブアのコンサート情報はぼちぼち入って来てはいたものの、なかなか観る機会に恵まれず、ようやくチャンスが巡って来たのが半年後の2015年2月でした。
◆2015年2月6日、Big-Cバーンパゴーク向かいの広場にて。
この時は既に1人でステージをこなせるまでになっていたブア。最初に観たときは単独でのライブは無理だろうなと思ったものですが。それに、ずいぶん垢抜けた感じもしました。
とはいえ、彼女目当てにコンサートにやってくる人はほとんどいませんでした。近所の人がイベントをやっているので、ちょっと来てビールでも飲みながらステージを眺めているといった感じでしたね。
しかし、曲や合間の喋りで、目の前のお客を楽しませようとあの手この手を繰り出し、人をどんどんステージ前に吸い寄せていくそんな彼女の姿を見て、なかなか面白い歌手になったなぁと思ったのが、筆者がブアを追いかけるようになったキッカケでした。
◆2015年3月~11月までのブアのコンサートから。
◆プレワー・パッチャリーとの共同アルバムに収録された曲「ガルナー・トゥム・ヂャイ」
それから、当初は1ヶ月に1~2回くらい彼女のコンサートを観に行くペースでしたが、ブア本人やマネージメントをしている彼女の父親と親しくなっていくにつれて、その回数もどんどん増えていきました。
ブアの音楽性を簡単に言うと、ポップスよりのルークトゥンといった感じです。むしろ、ルークトゥンに演歌的なイメージを抱いている人にとっては、彼女の歌を聴いていもルークトゥンに聴こえないかもしれません。
さらに、全体的にアップテンポの曲が多く、コンサートでは8割ほどの曲がダンスミュージックで構成されています。
最近のステージではブア一人でなく、ジェスとゲックという男性パートナーを引き連れ、大人から子供まで誰もが楽しめるステージを繰り広げているのが特徴です。
◆ジェス(左)とゲック(右)
つい最近では、タイ政府青少年子ども支援委員会が、青少年と子どもの育成に貢献したアーティストとして、多くの著名人と名を連ね、ブアもその一人として賞を与えられました。
◆2015年11月12日、ラーチャパットプラナコン大学講堂での授賞式にて。
日々、確実に進化していると感じるブア・ガモンティップ。
タイでの知名度もまだまだですが、ファンも少しずつではあるものの、着実に増えてきています。
そして、必ずその場を盛り上げる、これが出来るのは彼女と同世代の歌手では、ブア以外にはいません。特に最近の盛り上がりは凄いです。
長く彼女のコンサートに同行してきて、最近の変化は着実な手ごたえを感じます。
◆小さいステージながらも、予想外の大盛況だったBig-Cラマ4世店前でのブアのコンサート(2015年10月23日)。終了後は興奮したファンが、なかなかブアを離してくれなかった。
◆現在、全力プッシュ中の新曲「マー・ラック・ガン・ノイ(あいしあおうよ)」
ルックスとは裏腹に、現場力No.1。
そんなブアの魅力に気が付いてくれるファンが、一人でも多く増えてくれる事を、願って止みません。
関連記事