2015年7月30日掲載
7月25日(土)、3年前に中学生のためのサッカー大会を開きたいと開催に漕ぎ着けた”U-15 Creer fc Cup”も今回で早4回目を迎えた。在タイ日本人が多く本帰国する3月と7月に最後に仲間と目指すべく大会と位置付けをしたのであるが、3月はタイの学校が…7月はインター校がお休みとあって強豪チームをアレンジする難しさを毎時感じている。しかし優勝に対し、目先の勝利に対し、味方のゴールに対し感情を爆発させる選手達を大会で見ることにより「こんなちっぽけな大会でも熱く戦ってくれる。本当に開催して良かった…」と感傷に浸れる。タイの選手達は間違いなく”U-15 Creer fc Cup”の価値を高めてくれている。*写真は優勝したANUSONチーム
我がCreer fcは受験勉強の合間を縫って調整をしていた中学3年生が中心、残念ながら下の世代からスタメンの座を今大会では勝ち取る選手が出てこなかったのは寂しいところである。予選は不安定ながらも1勝2分で2位通過、先制するも足が止まる終盤に失点をすることを繰り返してしまった。簡単には勝たせて貰えないとは思っていたが、練習不足がこんな形で顕著に表れてしまうとは正直驚かされた。
準決勝、この試合でも先制点をあげるも続けざま3失点を喰らいThe End。勝っている試合で、どのように戦っていけば良いのか…という戦い方を伝えきれなかった俺の采配の拙さが敗戦の原因であると感じた。
泣き崩れる選手達に対して、俺は以下のメッセージを伝えた。「今は敗戦を自分の中で消化出来ないであろう、思いっきり泣くが良い。でも、お前たちは強いCreer fcという新しいチームの歴史を築いてくれた。だから…表彰式では胸を張って笑顔で銅メダルを受け取ろうぜっ」涙腺の緩い俺なのだけれど、不思議と泣かずに伝えられた。彼らに本当に感謝をしているからかもしれない。
このチームには女子マネージャーが2人いる。集合時間よりチームに帯同してくれて、時には俺の緊急な要望もテキパキと熟してくれる頼れるマネージャー。敗戦を受け呆然としていた彼女達にも感謝の気持ちをきちんと述べようと「有難う」と握手をした瞬間、俺の涙は決壊した。なんていうか…彼女達も一緒に戦ってくれていたのだなと伝わって来たんだよね。「勝たせて(優勝させて)挙げられなかった、ごめん」…。
今大会でまた1人Creer fcを旅立つ選手がいる。彼は正直ヘタクソだけれども、不器用だけれども、ネガティブ過ぎるけれども…本当にサッカーが大好きなのがプレーから伝わってきた選手。彼の目には共にサッカーをプレーする父親の姿が格好良く映っているようで、父の背中を追いかけ続けているように感じる。TOMOYAよ、いつか…近い将来父を超えてその先の風景を観れるように、今は必死になってボールを追いかけ続けて欲しい。蹴って蹴って蹴り捲って…いつかお父さんから「上手くなったな」と言って貰える日が来るように。
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand