2014年2月21日掲載
中央がブアカーオ選手
かつてK-1 World Maxで魔裟斗選手の好敵手として2度王者に輝いたブアカーオ選手、彼はタイでは現在もムエタイの世界で国民的英雄。しかし実際はあまりムエタイの試合に集中出来ている訳では無いようで、所属ジムから失踪したり…試合出場を巡り裁判を繰り返したりしているようなのである。そんなブアカーオ選手が今タイ国内で話題を呼んでいる。何とRBAC FCというタイリーグDivision 2のチームへの入団が発表されたのだ。背番号は16番、主にFWとしてプレーするという。
俺がタイにトライに来た時、夜中2時頃到着し空港からホテルに向かう車の中で「明日トライアルがあって試合だから…」と連れてこられたのがRBACスタジアム。その後もRajpracha時代に同カテゴリーのチームだっただけに何度となく公式戦や練習試合で訪れた思い出の地でもある。ここは大学の施設でRBAC自体フットサルや女子チームを持っておりそれぞれが強豪のようなのである。しかしRBAC FC自体は給料未払いやVISAのトラブル等の問題を抱えたチーム、日本からトライに来た選手達に対してはあまり推薦出来ないチームといったところか。
唯の話題作りなのかな!? と穿った見方をしてしまったのであるが、調べてみるとそうでもないようだ。今回の入団はブアカーオ選手がチームスタジアムがあるRattana Bundit大学に入学したのが切っ掛け、チーム側から獲得のオファーを…というよりはサッカー部に所属しないかとの申し出を受けたかたちらしい。
彼がどこまでチームに帯同してサッカーに専念するのかは未知数。早くして日本でも有名になった彼は現在31歳、元々ベーストレーニングはムエタイで積んでいるであろうから、そこにサッカー選手の動きが加味されてくれば案外やれなくは無いのではないかなと思う。しかし残念ながら彼の大活躍によりDivision 1へ昇格!!といったことはハッキリ言って無いであろう。対戦する側の選手からするといくら国民的英雄といえど、サッカーの世界では単なる”腰掛け選手”という偏見を持って「ふざけんな」と潰しにかかるよね。でもまぁ…ファンサイドからの意見としては正直プレーする姿を観てはみたいとは思うよね。一回観に行こうかな、コラムのネタ作りとしてね…(笑)。
伊藤琢矢(いとたく)
アマチュアに拘りプレーを続けた20代。33歳でのプロ契約を期にJリーガーを目指す事に。大宮・岡山・北九州とJリーグ昇格に携わり、自身は36歳でJのピッチに立った。2011年よりタイに活躍の場を移した「夢追人」。
いとたくブログ『夢追人』
Regista in Thailand