第12回「プッサパータイ式マッサージ専門学校」 藤垣善則さんに、ジジイ梅が直撃インタビュー。 (2011年3月22日掲載 )
「頑張らないことが大事」がタイ式マッサージの極意
藤垣善則さん
プッサパータイ式マッサージ専門学校 教員
BTSプロンポン駅近くにある「プッサパータイ式マッサージ専門学校」。本格的にタイ式マッサージを学べると口コミで評判が高く、日本だけでなく欧米各地からも生徒が来ている。
ここで得意の語学を駆使し、タイ式マッサージを教えているのが藤垣善則さんだ。
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■タイ式マッサージとの衝撃的な出会い
ジジイ梅 以前は大手工作機械会社にお勤めになっていたそうですね?
藤垣さん ええ、大学を卒業してから29年間。
ジジイ梅 海外生活も長いとか?
藤垣さん アメリカ、韓国、インドネシア、シンガポールなどサラリーマン時代の3分の1は国外でしたね。タイは最後の赴任地でした。
ジジイ梅 では、駐在でタイに赴任されていた時にタイ式マッサージに出会われた訳ですね。
藤垣さん そうです。「何というすごいマッサージなのだろう!」と驚きました。単に物理的に体がほぐされただけでない、心がほぐされたような気持ち良さがありましたね。
これは手の技だけでなく、心の技もあるのではないか?奥深いなと直感し、探究心が疼きましてね(笑)。それで文献を当たったりいろいろ調べ始めました。
■一部上場企業の部長職を捨てて!
ジジイ梅 理系の方らしい行動ですね。
藤垣さん 調べると奥が深いんです。そのルーツはインドの古代医学にあるんですが、タイ式マッサージは実はタイ方医学(タイ伝統医学)の一部でしかないんです。他にもサムンプライと呼ばれるタイ伝統薬学などいろんな物があるんです。
これは面白いと思い、究めてみようと決心し、会社を辞めることにしました。
ジジイ梅 大変な決断ですね!
藤垣さん 当時、思っていた事があるんです。
「海外で様々なプロジェクトをやり遂げ、部長職まで得てサラリーマンとして充実した生活を送ってきた。でも、自分の人生の可能性はもっとあるんじゃないか?」と。
2000年に年齢が51歳になり、ちょうど早期定年退職制度が適用可能になったこともありました。
ジジイ梅 ご家族の方々の反応はいがでしたか?
藤垣さん 藤垣さん:妻と当時はまだ大学生だった子供2人がいましたが、私を信じてくれ賛成してくれました。
私が何かを真剣に決断する時は熟考をした上でのことだと理解してくれていたからだと思います。
周囲の同僚や友人たちからは「一部上場企業の部長職を捨ててまで?」と呆れられましたけれど(笑)。
■文部省の認可を受けた初の外国人教員に!
ジジイ梅 そして、再びタイに来られて本格的にタイ式マッサージの修行を始められる訳ですね。
藤垣さん 駐在期間中に覚えたタイ語でいろんな先生の元を訪れました。その中で「これは!」という方々に教えて頂きました。理論と実技を一緒に。それ以外に、タイ語の専門書を読んで知識を蓄えていきました。
ジジイ梅 教える側になられたきっかけは?
藤垣さん プッサパーの校長であるソムサック先生が「新しく学校を始めるからやってみないか?」と誘って下さったんです。
学校で教えるには文部省教員の許可が必要なので文部省に行ったんですが、これまで外国人には与えた例がないということで門前払いをされてしまって・・・。
ジジイ梅 う~ん。それからどうされたんですか?
藤垣さん 数ヶ月に渡って何回も訪れてねばりました。結果、こちらの熱意を買ってくれたのか、それまでの履歴やタイ方医学履修歴などの書類審査の後、専門家の前でタイ語での授業と実技のデモンストレーションをしてOKを貰いました。
ジジイ梅 ということは、タイで初めて文部省の認可を受けた外国人タイ式マッサージ教員ということですか?
藤垣さん そういうことになりますね。その後も外国人で認可を受けたという話は聞かないので現在も唯一かもしれません。
■どうして「頑張ってはいけない」か?
ジジイ梅 教えられる上でのご苦労はありませんか?
藤垣さん いやあ、あまりないですね(笑)。教えることが楽しいですし、そこから私自身が学ぶことも多いですし。
タイ式マッサージを学んで貰う時、生徒に必ず教えることが一つあります。それを伝えることが、外国人教員である私の存在意義だとも思っていることですが。
ジジイ梅 何ですか?
藤垣さん 「頑張らないこと」です。
ジジイ梅 ん、頑張るんじゃなくて・・・頑張らない?
藤垣さん ええ。真面目な日本人の気質で、どうしても頑張ってしまいがちです。そういう風にマッサージをしたら、短い目で見たら、1人目は良いマッサージができても、2人目3人目は質が落ちてしまう。長い目で見たら、マッサージを仕事でしていって腰を痛めてしまうなど、長い時間(あるいは期間)マッサージができないからです。
そうではなく、タイ人のように自分を快適な状態にしてから、他人へのサービスを始める。自分を犠牲にして、疲れきってでもマッサージの受け手を快適にしようなど、タイ式考え方では正しくありません。
ジジイ梅 なるほど、タイ人なら当たり前だから言う必要もないですよね。
藤垣さん そういう文化を持つタイ人が歴史の中で作り上げてきた物ですから、「頑張らない」というスタンスがやはりタイ式マッサージには合っているんです。
■教えてきた生徒は約2000人!
ジジイ梅 これまで何人くらいの生徒さんを教えてこられたんですか?
藤垣さん 2001年から通算で2000人くらいになりますね。
ジジイ梅 2000人!国別の割合はどうですか?
藤垣さん 最初の頃は日本人が多かったです。その他、韓国、欧米、タイの生徒ですか。私が駐在時代に覚えた韓国語、英語、タイ語も役に立ちました。
最近は欧米人も多いです。ネットの口コミでこの学校の評判が高いらしくて、今では受講する生徒の4割がそうですね。
ジジイ梅 卒業までの授業のスケジュールはどんな風ですか?
藤垣さん レベルが3つに分かれています。基礎・中級は1週間、上級は2週間。それぞれの最終日にテストがあって合格すれば次のレベルに進めるようになっています。
ジジイ梅 生徒さんの感想で記憶に残っていることはありますか?
藤垣さん 卒業後にいただく言葉として、「学校で、癒しや症状軽減マッサージなど人の役に立つ、“一生の宝物”をいただきました」という言葉ですね。
それと「西洋医学と違い施設も薬もいらず、身一つで困った人を助けられるのが嬉しいです」とも言われますね。
■広がっていく本物のタイ式マッサージ
ジジイ梅 日本のご家族とはよくお会いになるんですか?
藤垣さん 年に4回くらい日本へ帰っているんですが、いつもトンボ帰りです(笑)。学校がスタートする時は学生だった子供たちも今は結婚しているので、孫の顔を見るのが楽しみです。
ジジイ梅 今後の夢は何ですか?
藤垣さん 本物のタイ式マッサージの伝統を日本に広めたいですね。
TVや雑誌の影響でタイ式マッサージは「痛い」「アクロバットのような体形にされる」みたいなイメージが強く、誤解されているようですから。
昨年、東京に提携校が出来ました。運営にはプッサパーの卒業生が先生になって授業をしています。こんな動きがどんどん広がり、タイ式の理論や実技だけでなく、マッサージをする上の心の持ち方も伝わっていけば良いなと思っています。
■ここが、「プッサパータイ式マッサージ専門学校」のPRポイント!
*100%日本語の教科書を使い、日本語で学べる!
*タイ式マッサージ以外のタイ伝統医学の様々なコース(タイハーブマッサージ、症状軽減マッサージ、タイ式足裏マッサージ等)も日本語で学べる!
*タイ国文部省認定校の修了証が得られる!
*タイ国での無料インターンシップ(研修)制度もあり!
プッサパータイ式マッサージ専門学校
25/8 Soi 26, Sukhumvit Rd. Klongtan Klongtoey Bangkok 10110 Thailand
電話: +66-2204-2922/3
FAX,:. +66-2204-2924
http://www.thaimassage-bangkok.com/